緑の風を探して2

51話 ページ26

「全軍出撃！」
スウォンの合図によりイクサが開始される。
戒帝国相手に。

その様子を、私は青龍の瞳で見ていた。
一方的な闘い、呆気なく高華国が勝利

無事、スウォンは“やるべきこと“を果たした
けど、私はまだ果たしていない。

「見つかりませんねー」
「何処にいるんでしょうか」

現在地は、戒帝国の村。
姉様達が見つからず各村を探してまわっている

地の部族領の国境沿いの町で
姉様達らしき変わった集団の目撃情報は
間違っていた…?

ザアア…
生暖かい嫌な風が吹き抜けていった。
悲しみと憎悪が感じられる。

まさか、イクサの？戒帝国の…敗残兵…？
私の考えすぎか…。

「イオリ様、向こう地響きがする
馬の足音のような…」

まさか

黄金の瞳を使い、キハトの指差す方向を見る
悲しみと憎悪の正体は、これだった。
戒帝国の敗残兵
予想は的中してしまっている。

あんなのが来たら、村は一瞬にして
焼き尽くされる。
そしたら、どれだけ命が散ることになるのか

「高華国さえ、良い訳じゃない。戒の敗残兵を止めに行く。キハト、ついてきて」
「何処までもお供しますよ」

私とキハト
全速力で、駆けた。

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