43話 ページ18
「日が傾いて来ましたね‥‥」
私は沈みゆく太陽
綺麗な夕暮れの空を見回した。
でも、早く到着した方ですね。
ここは、普段 城に住む王族とは無縁の場所
国境沿いの深い森の中だった。
「イオリ様 目的の場所はどこです?
早めに済ませて宿を取らなければ日が暮れて
しまいます」
ジュド将軍は焦った声色で私を急かす。
でも‥困りましたね＿＿
「野宿じゃ駄目ですか?
お墓は、特殊で洞窟の中なんです
行って帰ってくると夜になってしまいます‥‥」
「野宿 面白そうっすね!!滅多に出来ない経験
ですよ!!」
「まぁ、たまには良さそうですね」
乗り気なキハトとスウォンを見て
私はひと安心‥‥だけど
「良い訳ない‥が、仕方あるまい」
ジュド将軍は不満げだが、しぶしぶ同意してくれた。
今、宿を取りに町へ行っても日の沈んだ頃
全ての宿が満室になってしまっていても
おかしくない時間帯になってしまうのだから。
「でも、夕食どうするんすか？
初めに言っときますが俺は まともな料理が
出来ないんすよね」
「大丈夫です!!私、野宿には慣れてるんで
任せて下さいっ」
山菜や木の実など食べられる物は全て集め
火をおこし 竹や木で食器の代わりを作る‥‥
なんだか忘れたいのに忘れられない昔の思い出を、思い出すようだった。
"イオリ、外の世界で生きていく為には
いつ、どんな時でも
対応出来るようにしないとっ"
"うん。分かった!!
いつか姉様と家族皆で緑龍の里から抜け出そうね!!"
建国神話の時代から受け継がれてきている四龍の血筋。緑龍の子孫が住まう緑龍の里
それが、私の故郷だった。
でも‥‥
"イオリ、お姉ちゃんに任せて逃げて
遠くに。お互い、生きてまた会おうね"
龍の力を狙う山賊に襲われた時
まだ弱く何も知らなかった私は 言われた通り
逃げるしか‥なかった。
当時の私は、私と姉様を生かすために
庇って致命傷を負った両親のショックが
大きかったんだろう
あの時
生き延びていてくれて、ありがとう‥‥と
伝えたかったんだけど
こんな、再会になってしまったなんて。
胸が、とても痛い。
「あの二人も‥‥
同じ空を見上げているのでしょうか」
スウォンが思い浮かべているであろう
少女と青年の姿を思いだし、私も空を見上げた
「‥‥‥空は広いですからね。きっと」
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暁風の夢(プロフ) - 芽留さん» ありがとうございます！更新は遅くなるかもしれませんが精一杯頑張ります！ (2016年5月7日 21時) (
レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
芽留 - 初めまして(//∇//)小説大好きです(*≧∀≦*)これからも頑張って下さい＼(^o^)／ (2016年5月7日 21時) (レス) id: 9850d6f22d (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - りりらさん» ありがとうございます！これからも この作品をよろしくお願いします (2016年3月25日 19時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
りりら - 一気に読んでしまいました！面白かったです (2016年3月25日 19時) (レス) id: c83de81e00 (このIDを非表示/違反報告)
暁風の夢(プロフ) - きーや(｡-_-｡)さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです (2016年3月24日 10時) (レス) id: 4565eb4012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁風の夢 | 作成日時：2015年12月3日 22時
