47話�� ページ3
その夜、Aは船の後方に移動して
水平線を眺めていた。
ここに来たときからずっと、
毎日ではないがよく眺める。
そういえばサンジにも聞かれたな。
何かがあるわけではない。
ただ、水平線が好きなのだ。
逃亡中は水平線なんか
ゆっくり眺めてられなかった。
あの向こうに行けば
追っ手から逃げられると思っていたが、
何処も彼処も敵だらけ。
地平線だろうが水平線だろうが、
必ず探しに来る奴がいる。
見れるときに見ときたくて、
よく夜はここに来た。
「………チビか」
「…チビじゃ ないし…」
能力がチビの姿を映した。
Aは振り返り、
自分の目でチビを見る。
どうしたのか聞くと、
「別に」としか答えなかったが、
Aの隣に立って水平線を見始めた。
サンジにされた質問をチビにしてみた。
「……なんか見えるのか」
「…見ときたい。水平線 なんて、
ゆっくり見れる もの じゃない…」
つくづく、こいつは自分なんだと思わされる。
Aは体の向きを戻し、
チビと同じく水平線に目を向ける。
しばらくそうしていたが、
どうしても言っておきたいことがあった。
「あいつは…」
「…あいつ？」
「…サンジ。ぶどう食わせようと
してきた奴いただろ。あれ」
「あぁ……あいつがなんだ」
「サンジはこの船のコックなんだ。
手を怪我したら料理ができない。
料理がないと、船員が死ぬ」
「………」
「間違っても、噛み付くなんてことするな」
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Rui - とっても面白いです！更新出来たら頑張ってください！ (2021年3月31日 23時) (
レス) id: 670a53b6c0 (このIDを非表示/違反報告)
saitou - この作品めっちゃ大好きです！応援してます！！ (2021年2月19日 8時) (レス) id: bff1d37f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リョク | 作成日時：2020年5月31日 12時
