【ONEPIECE】死の執着2【男主】 (ページ10)

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16話③ ページ10

「これ以上壊れないために、
壊させないために生まれたのが俺だ。
このままだと
自分がどうなるかわからなかった。
苦しみから逃れるために、
精神がぶっ壊れる寸前に
俺にバトンタッチする」
「じゃあ俺らが来るまでの間に
Aは限界に達してたってのか」
「その通り。まぁ5年も空いてたからな…
よりでかい恐怖もあった」
「…お前がいた部屋の隣に
でっけー機械があったな。
この階全体がそうだが、
クソみてーな匂いは…」
「何万回と繰り返された実験の重みだな。
研究者たちはいちいち掃除をしない。
雑菌や病原菌に蝕まれても
死なない体を作るためだ。
久しぶりに嗅いだがくっせーな」

ゾロが見た機械は、
Aが逃げ出す前まではなかったという。

「あれはプレス機器だ」
「…なんだと…！？」
「人体をべらっべらに潰しても
尚再生したら実験成功。
見事に生きてるから俺も成功したんだな」
「お前…よくそんな平然と話せるな。
Aと大違いだ」

ゾロもベルも次々とくる刺客を
ものともせず、会話を続ける。

「言っただろ。俺が出てくんのは
Aが限界を越えたとき。
俺が俺の意思で出ることはできねーし、
Aが変わってほしいって願って
出られるもんでもねぇ。
Aが落ち着けば俺は消える。
だから俺が実験の苦しみを
理解してやることは無理だ。
いくら話を聞いたとこで
痛みも辛さも体感してないから
なんもわかんない。
俺ができるのは、
せいぜいAのためにこうやって
戦うことだけ」
「そういやお前…かなり強いだろ。
あいつにそんな雰囲気はなかったのに…」

ベルは自分に巻いた包帯を解き、
敵数人に巻き付け床や壁に叩きつけた。