15話�� ページ7
1〜100が1階。
101〜200が2階。
あそこは701〜800。
ということは8階か。
地下に行くまでかなり遠いが、
ゾロは床や天井をガン無視して
斬りまくって進むため、
あまり遠い感じはしなかった。
ある階まで到達したとき、
とてつもなく嫌な匂いが
鼻の奥まで届いた。
思わず鼻を塞ぐ。
「(なんの匂いだ…！？)」
まるで人が腐ったような、
血肉の匂いだ。
それらに鉄や、
何かを燃やしたような匂いも混ざっている。
早く出よう。
そう思って床に刀を構えようとしたら、
何かが視界に入った。
「？…………A？Aか！？」
地上の階で見たような
鉄格子の中にAがいた。
椅子に座り、背もたれに頭を乗せて
気絶しているようだった。
急いで鉄を斬り、
Aに駆け寄る。
「おい起きろ！！
何があっ………！！！」
赤い服を着ているんだと思っていた。
違う。この赤色は、違う。
「なんだよこれ…」
血に染まり、赤色に見えていたんだ。
元が何色なのかはわからないが、
こんなに赤黒く染まっているなんて、
どれだけ血を流せばここまでになるんだ。
巻いていたはずの包帯も
赤く湿って、床に散乱していた。
しかも気づけば、
Aの腕や胴体は再生途中のようだった。
子どもたちが言っていた、
「実験」という言葉。
一体どれほど残虐な実験をしているのだ。
Aを安全な場所に移動させようと
肩に腕を回したとき、
Aが動いた。
「起きたか？」
「ん……………
…………あぁ…Aの…仲間？」
「何言ってんだお前」
Aは自力で立ち上がった。
そして自分の格好を見て
顔をしかめる。
「うわ…汚ったな………
ちょっと待って、着替えたい」
「んなことやってる場合かよ！」
ゾロが斬って開けた鉄格子を越え、
Aは適当に服を着た。
「ねぇ、お前Aの仲間だよな？」
「…？だから何言って…Aはお前だろ」
「んー……まぁ当たらずも遠からず。
俺は…ベルって呼んで」
「はあ？？」
"ベル"はまるで自分の家のように
研究所内を歩き回り、
保健室と書かれたプレートの部屋に入った。
そこから包帯を取り出し、
体に巻いていく。
少し血が滲んだ。
「俺はAじゃない。
まぁいわゆる二重人格か」
「………は？？？」
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作者名：リョク | 作成日時：2020年5月24日 12時
