23話�� ページ40
新しい服はやはり
ナミが買ってくれたようで、
心配かけた罰として
利子10倍で返せと言われた。
まぁ、仕方ない。
短刀を懐に入れたかったが、
口元まで首があるこの服だと
入れるのも取り出すのも難しい。
なので背中に取り付けることにした。
ちょっと工夫すれば
逆手で短刀が取れるようになる。
短刀を背中にしまい、
ぼーっとしていたら
物置の扉が開いた。
入ってきた人物は最早、
能力で見なくても分かりきっている。
「…お前も無事でよかったよサンジ」
「………」
ココアを持ったサンジは
少し不機嫌そうだった。
座ったままコップを受け取り、
何が気に入らないのか不思議に思いながら
Aはココアを飲む。
服の上からでもよく分かる。
包帯が巻かれている腕も足も、
栄養失調のように細かった。
実質栄養失調なのだが。
「ローが言ってた」
「…？何を」
「あの組織は世界機密に近い存在」
「………」
「お前は最重要人物で、
CPはお前を政府のものだと
言っていたらしいな」
「……それがどうした」
ココアを飲みながら
目だけサンジを見上げる。
一定の距離を保ち、
立ったままのサンジもまた、
Aを見下ろしている。
「ほんとにお前…何隠してんだよ…」
「………」
「あん時…海軍大将が
出てきたことはねぇって言ってただろ」
「…言ってたな」
「………CPまできて……」
「………………もう終わったんだよ」
「何も終わって──」
「──終わったんだ。お前らが、
終わらせてくれたじゃねーか。
もう俺に…思い出させないでくれよ」
海軍に追われるのは、
麦わらの一味と何も変わらない。
俺は海賊なんだと言った。
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作者名：リョク | 作成日時：2020年5月24日 12時
