【ONEPIECE】死の執着2【男主】 (ページ38)

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22話④ ページ38

再生能力が本当なら、
おそらくAは残った右の手首から
蘇ってくる。
右手は医務室のベッドに置かれ、
3日ほど何の変化もなかった。
何の変化もなかったというのは、
腐りもしなかったということ。
4日目に、手首が地道に
再生しているのをチョッパーが見た。
10日も経つと、
今度は脳を作り始めた。
医者からすれば
まさに目が離せない出来事である。
人のつくりが鮮明にわかる。
20日後、全身の骨が形成され、
そこから徐々に内蔵や血管が再生されていく。
そうしてAは約1ヶ月かけて
再生していった。
完全に元通りになったが、
Aは眠ったままだった。
脈も呼吸も安定していたため、
ただ寝ているだけだと心では思っていたが、
おそらく皆不安だったのだろう。
Aが起きたと知り、
10人もの人数が医務室に押しかけた。

「ほんとに治るのね…」
「………本来なら、
脳が出来たら意識は戻るけど…
眠かったのかな」
「本当か…？嘘じゃないのか？？」
「嘘じゃない。
まともに眠れなかったから、
多分ほんとに寝てただけだ。
それに、全身を再生するとなると
膨大なエネルギーが必要だから
前後の記憶がなくなるんだ。
ありがとな…教えてくれて」

Aは手を握ったり開いたりを繰り返した。
通常通りちゃんと動く。
身体は前よりさらに細くなってる。
それもそうだ。全身の再生に必要なものが
元からAは足りていない。
栄養とか血液量とか。
細いのも無理はない。

「全く……何で1人でどっか行くのよ！」
「何でって………敵から大事なものを
遠ざけるのは当たり前だろ。
俺1人で守れるなら…それがいい」
「………じゃあ覚えといて！
私たちの大事なものの中には
あんたも入ってるってこと！！」
「！………」
「もうあんな無茶しないで！
心臓に悪いわ！」
「…覚えとくよ……ありがとう。
2人とも無事でよかった」

ナミはAにデコピンして
医務室を出た。