【ONEPIECE】死の執着2【男主】 (ページ37)

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22話③ ページ37

せっかく包帯を巻いて服を着たのに
今度はチョッパーに脱げと言われた。
心底めんどくさいという顔をしながら
Aはもそもそと服を脱ぐ。
上半身の包帯もあらかた取り、
チョッパーは診察を始める。
問題なかったのか、
次は足を見せろと言われた。
心からの「めんどくさい」を言ったが、
その抵抗も虚しく、足の包帯も取った。

「……何もないな、良かった」
「だから言ったじゃん」
「…A、何も覚えてないのか？」
「？サンジにも言われたけど
何のことかさっぱり…
あ、ナミとお前と
買い物してたのは覚えてる。
この服、ナミが買ってくれたのか？」

チョッパーは少し躊躇いながら、
何が起きたのか全部話してくれた。

✾

全ての出来事を聞き、
Aは思い出す。

「……そ…だ………」
「落ち着けA、もう大丈夫だ」

頭を抱え、俯く。
あの時サンジが危ないと分かり、
自分なら攻撃をくらっても平気だから
サンジを突き飛ばした。
そうだ、黄猿がきたんだ。
CPもいた。
皆が戦ってくれていた。

「っ……ローは？
ローは大丈夫なのか？」
「トラ男も無事だよ」
「そう、か……」
「人の心配より自分の心配しなさいよ」
「！…ナミ……」

追い出されたはずだが、
たまらなくなったのかナミが乱入。
つかつか歩いて
Aにずいっと寄り、
指をさして文句を言う。

「あんたねぇ、私たちがどれだけ
心配したと思ってるのよ！
1人で行動するなって言った瞬間に
どっか行っちゃうし
自分で自分の腕切ってどっか行くし
しまいには手首だけ返ってきて…！！」
「……悪かったよ」

ローが能力を使って船内に移動し、
クードバーストで何とか逃れた。
少し落ち着いたとき、
Aはどこだと皆が探すが、
船内にいたのはローとサンジと、
傍に落ちていた"誰か"の手首だった。
ローはそうなった経緯を話したが、
ルフィはAはまだあの島にいると思い、
船を戻そうとした。
しかしサンジの発言も、
ローと同じだった。
あそこにはもうAはいなく、
手首だけが落ちていたんだ、と。
サンジを突き飛ばした右手だけが
黄猿の光線をくらわなかったんだろう。
跡形もないとはまさにこのことだ。