【ONEPIECE】死の執着2【男主】 (ページ18)

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18話① ページ18

サニー号から少し離れた海岸の岩場で、
Aと鴉天狗…ハルは話していた。

「お前…変わらないよな」
「僕が？…変わっちゃったなって
自分で思ってた」
「変わらないよ。全然」
「………まさか…
ほんとに崩壊するとは思わなかった」
「俺も…」
「麦わらの一味ってすごいんだね」
「子どもらは？」
「生きてる子は全員無事」
「神通力…すげーな」
「……今回、覚悟決めてたんだ」
「覚悟？」
「上からAを探してこいって
言われたとき、
僕がこの研究を全部壊そうって…
Aと子どもを守ろうって思ってた」
「………」
「償いのつもりだった。
君だけだよ…逃げ切ってたの」
「…皆…お前に感謝してるよ」
「ほんとかな…」

研究所に侵入してきた麦わらの一味4人を
建物内に入れたのは、
鴉天狗ハルの神通力だった。
崩壊する建物から
ルフィ、ゾロ、チョッパー、ロビン、リジェ、
そして300人以上いる子どもを
守っていたのもハルだ。
Aとハルは同じ時期に研究所に入った、
言わば同期だ。
だがハルは悪魔の実を口にし、
鴉天狗となった。
組織はハルに用心棒という立場を与え、
子どもが逃げないように
見張る役を任された。
だがハルは元は実験体。
狂った実験を受ける子どもの苦しみを
充分に理解していた。
自分だけ悪魔の実を食べたことにより、
実験という地獄から解放された。
それがまるで罪のようで、
周りにバレないように
こっそり子どもを舟で逃がしていた。
だが今まで
無事に逃がすことができた子どもはいない。
皆、組織に見つかって殺される。