17話�� ページ17
Aは足に力が入らなくなったのか、
膝から崩れ落ちた。
「…俺は…………本当、なら……
もしお前らが 来てくれた、なら…
皆を…逃がして………組織ごと
死ぬ、つもりだったんだ…」
「………」
「ゾンビを…っ……作り、だせる…から、
ゾンビ………殺せる…方法もっ…！
あるって…思って………死ぬつもり、
だったのに…！！」
まだ、死ぬなんて言ってるのか。
ルフィはまたAの胸ぐらを掴んだ。
「いいかA！！
お前は俺の仲間だから！！
俺の許可もなく勝手に死んだらだめだ！！！」
「…！！」
「死ぬ方法ばっか探してんじゃねぇ！！
そんなに死にたいならな！！
俺らが全員死んでから死ね！！！」
「っ……うぅっ…！」
「それでも死にたいって言ったら…！！
俺は絶対お前を許さないからな！！！」
ルフィは手を離した。
Aはボタボタと涙を零す。
「約束だ！！！」
「…？」
「これからお前は自分のために生きろ！
海賊は自由だ！！こんな所に縛られて
こんな組織のために死ぬ必要なんてねぇ！！
お前はもう自由なんだぞ！！！」
「！！……っ…わかったよ…船長…！」
4歳の頃に捕まり、11年。
とある人物の協力により
組織から逃げ出すが、
追っ手から逃れるために
まともに眠れない生活がずっと続く。
おかげで隈ができた。
さらに、17の頃に妖怪が棲む島へ流れ着き、
百目の力を得た。
15年分の苦しみが、
Aの目から溢れ出す。
ちっとも止まらない。
「さっさと逃げるぞお前ら。
てめぇが大暴れしてくれたおかげで
崩れそうじゃねーか」
「俺ゴムだから死なねーよ」
「俺らが死ぬんだよ！！
もっと言えば俺だけ死ぬんだよ！！」
ゾロが立ち上がるよう言うが、
それどころではない。
あまりの嬉しさに力が入らない。
さてどうしようか。
ルフィとゾロが悩んでいたら、
突然体が浮き始めた。
「なんだこりゃ！！」
「まさかあの鴉じゃ…！」
「え、やべぇじゃん！！
潰される！！！」
「(鴉………ハル…！)」
Aは何とか涙を拭い、
心配ないと伝えた。
「鴉天狗…ハルは……元から味方なんだ」
「はあ！？」
「いやだって…お前連れ去っただろ」
「あいつも…組織の部下 だからな。
逆らえ、ないことも あるんだ。
けど、基本的に組織に敵対心…を持ってる。
安心して 大丈夫なんだ」
上から瓦礫が落下してくるが、
バリアが張られているため
3人は全くの無傷で地上へ出れた。
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作者名：リョク | 作成日時：2020年5月24日 12時
