【ONEPIECE】死の執着【男主】 (ページ10)

今日:10 hit、昨日:10 hit、合計:228,424 hit

2話⑤ ページ10

明日のための仕込みが終わり、
一服しようと外へ出た。
ふと昼間のことが気になり、
医務室を覗いたら空っぽだった。
不思議に思い少し探すと、
船の後方に姿を見つけた。

「よぉ」
「………ん」

あまり近寄らず、
しかし隣に立ち、
サンジはタバコに火をつけた。

「…飯」
「ん？」
「……悪かったな………
食うって言ったのに」
「あぁ、気にすんな。
船長が食った」
「そうか…」

Aは一度もサンジを見ようとしない。
声をかけた時でさえ、
こっちを見なかった。
それなのに飯のことを謝った。
サンジだと気づいているからだ。

「賞金首だってな」
「………」
「いくらだ？」
「……………2億」
「2億？ウソップと同じじゃねーか。
そんな強そうには見えねーけど」
「………ニコ・ロビンは…」
「あ？」
「オハラの生き残りだろ？
悪魔の子………子どもでも
高額の賞金がついた……
危険度も加算される」
「……お前も"それ"だと？」
「………あぁ」

ポーネグリフでも読めるのかと
聞いたら、読めるかと一喝された。

「……船でどこか行くつもりだったのか？」
「………どこに行こうとしたのかな…」
「………」
「逃げ場…………………もうないかも……」
「…？海賊は元から逃げ場なんてねーだろ」
「……………海賊………いいな…自由で」
「海賊じゃないのか？」
「賞金首なだけ。
海賊旗を掲げた覚えはない」
「いまいちわかんねーな。
海兵じゃねぇっつーし
海賊でもねぇ。
政府が危険度だけで2億まで
引き上げるものかね」
「…頭いいな」
「どーも」

飯を残した詫びに教えてやる。
Aはサンジからタバコを奪った。
何すんだと取り返そうとしたら、
火がついたままのタバコを
自分の腕に押し付けた。
根性焼きというやつだ。

「ばっ…！！お前なにして…」
「よく見てろ」

目の前に突き出された腕。
ついたばかりの火傷があった。
これがなんだ、と言いたげに
サンジはAを見る。
しかしAは目を離すなと言った。
言われた通り視線を戻すと、
火傷の痕は徐々に消えていっていた。

「…！！」