【ONEPIECE】死の執着【男主】 (ページ47)

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12話③ ページ47

手を動かしながら
悪魔の実のことを考えていたら、
突然うなじを誰かに触られた。
あまりにいきなりで驚き、
芋をむいていた包丁がずれ、
左手の親指がズバッと切れた。

「いった！！」
「ぉ親指とれたあああ！！」

隣で作業していたはずのサンジも
親指が取れたことに気づき、
グロいものを見たかのように
騒ぎ始めた。
もはや慣れっ子のAは
芋と包丁を置いて親指を拾い、
軽く洗ってくっつけた。

「治った」
「…心臓に悪いなそれ…」
「足斬れたの見たくせに…」

血がついてしまった芋は
不衛生なので端によせた。

「つーかお前だろ。首触ったの」
「呼んでも返事しねーから…
まさか指取れるとは思わなかったよ」
「……気づかなかった」
「お前死んだ目で皮向いてたぞ」
「考え事してた」
「真顔でなに考えてたんだよ」
「昨日の宴………………………の、こと」
「なんだその間」

"昨日の宴"で思い出したくないことを
思い出してしまった。

「触られんの嫌いなのか？」
「前も聞いたよなそれ」
「寝てても起きるから
相当嫌いなのかと思っただけだ」
「………寝てても？」

Aはサンジを見た。
ニヤリと笑う顔が目に映る。

「俺…お前に何か言ったか？」
「何かってなんだ」
「………いや、いい」
「ボロ出すかもなんて考えなくても、
酔ったお前からだいたい聞いた」
「！！」
「顔に出ないけど態度に出るんだな。
動揺しすぎだろ」
「な……」
「Aが寝てたから
試さなかったけど、
お前って窒息死しねーの？」
「……その質問は…わざとか？」
「さぁ、どうだか」
「ね……寝込み…」
「一応言うけどお前起きてたからな。
すぐ目開けてたし」
「寝てたっつっただろ」
「目を閉じてたって意味だ」

夢ではなかったらしい。
余計なことも言ったし、
まさかと思っていたことも本当だった。
これ以上ここにいたら
何かまた余計なことをしてしまいそうだと、
残りの芋を最速でむき、
さっさとキッチンから出ていった。

「だから動揺しすぎだっての…」

人知れずサンジの口角はあがっていた。

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