【ONEPIECE】死の執着【男主】 (ページ5)

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1話④ ページ5

「世話かけた。ありがとな」

出入口で騒ぐ三人を押し退け、
甲板に出る。
が、それをまたチョッパーに止められる。
強引にでも外に出ようとするので、
チョッパーは人型で連れ戻した。

「だめだ！まだ終わってないぞ！」
「俺が終えたんだよ」
「勝手に終わすなよ！」
「何なんだよ！怪我してねーんだから
もういいだろ」
「お前なんでそんなに細いんだ？
なんも食べてないんじゃないのか？」
「食ってねーけどなんだ！」

まだ諦めないAを、
チョッパーはルフィとサンジに頼んで
取り押さえてもらう。
ルフィにぐるぐる巻きにされ、
Aはさらに暴れ出す。

「やめろ触るな！」
「なんも食ってねーなら食ってけよ！
サンジのメシうめぇぞ〜！！」
「いらねぇ！放せ！！」
「んだとこのクソミイラ…
俺の飯がいらねぇ…？」
「お前の飯だろうが誰の飯だろうが
いらねぇっつってんだよ！
つーかいい加減放せって！！」
「よしルフィ、絶対放すなよ」
「おう！任せろ！」
「…わかったよ！食う！
食うから放せ！」

Aの口から飯を食べると出て
満足したのか、サンジはルフィに
放してやれと言った。
ルフィも素直に放し、
愉快そうに笑っている。

「ヨホホ、サンジさんも頑固ですからねー」
「大丈夫かルフィ…ミイラにされるぞ」
「なんだよウソップー。
こいつミイラじゃねーよ。
包帯まいただけの人間だ！」

元気に笑ってウソップ、ブルックと共に
医務室を出ていく。
その背中を睨みながら、
Aは軽く舌打ちした。

「お前の趣味はずいぶん変わってるが…
食えねぇもんとかあるのか？
味覚もかなり変わってそうだが」
「………ない」
「そうか」
「あんまりご飯食いたくねーのか？」

いつの間にか頭脳型に戻ったチョッパーは
少し不安そうに聞いた。
食に対するトラウマがあるなら、
無理矢理引き止めたことは
逆効果だったかもしれない。

「別に…」

Aはそれ以上口を開かなかった。
空になったマグカップを持って
サンジも医務室を出る。
毛布に包まりながら
Aは顔をうずめた。

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