【ONEPIECE】死の執着【男主】 (ページ18)

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4話① ページ18

「……ぃ………たい………」

物置で毛布に包まり、
膝を抱えながら呟く。
船に戻ると、Aの片方のズボンが
切れ落ちていることに、
皆が驚いていた。
サンジが上手く誤魔化してくれたが、
ドクターチョッパーに見つかり、
また診察を受けた。
しかし何もないとわかれば
すぐに解放される。
今ズボンはナミによって修理中。
少しデカいがルフィのズボンを借りた。

「………いた………………」

言うつもりはなかったのに、
サンジに見つかってしまった。
あまりに人が多くて、
すぐそこまで迫る気配に
気づくのが遅くなった。
見事に捕まって左足を切り落とされた。
しかし運良く、というか、
間が悪くというか、
サンジが見つけてくれて
敵を倒した。

「(頭いいな…………聡い……)」

"何もない"一般人を
"理由もなく"海兵は傷つけてはいけない。
Aは"何かがある"人間で、
あいつらは"理由があって"躊躇うことなく
Aの足を斬った。
それにサンジは気づいた。
めんどくさい。
聡い人間は厄介だ。
ぼーっとしていたら、
物置のドアがノックされた。
ハッと我に返り、一瞬腕を見て安心した。
ドアが開き、入ってきたのはコックだった。

「足、平気か」
「……またお前か」
「また俺で悪かったな」

ゾンビに怪我の心配は不要だ。
サンジはそれについて何も言わず、
ん、とカップを渡した。

「…ココア？」
「作るっつったしな」

一口飲むと、
あの美味しさが口に広がる。

「熱いとも感じねーの？」
「………感じても仕方ない。
熱いけどどうせ火傷もなにもない」
「ふーん…」
「…………………なんか用か」
「ナミさんが探してた。
ズボン直ったってよ。
ナミさんの優しさに100万回感謝しろ」

大袈裟な数字を言われたが、
Aは気にせずココアを飲む。

「あとでコップ返す」
「そうか」

サンジは物置から出ていく。
とにかく今はひとりになりたかった。
落ち着きたい。
ズボンはあとで取りに行こう。
ココアを床に置いて、
目を閉じた。

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