【ONEPIECE】死の執着【男主】 (ページ11)

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2話⑥ ページ11

十数秒で火傷痕は完全に消え、
元の綺麗な腕に戻った。
Aはタバコを返す。

「これ…」
「ゾンビなんだ」
「………」
「再生能力がある」

今のは回復能力か。
鼻で笑った。
サンジはまだ驚きが隠せない。

「兵を生み出すにも限度がある。
怪我しても自力で治るなら
それがいいに決まってる。
海軍はこれを狙ってる」
「………まさか海賊に撃たれたってのも…」

怪我がなかったのはこれか。
その問いに、静かに答えた。
怪我はした。
けど、引き上げられたときには
完全に再生していた。
だから外傷がなかった。

「………内緒にしてくれよ」
「………」
「あの…お節介なたぬきに。
治療しようにも無意味だし。
…………頼む」
「…わかった」

よく見えなかったが、
Aが微笑んだような気がした。
ここでサンジは新たな疑問が浮かぶ。
包帯をしているのは、何故か。
しかし聞こうとしたが、
もうAの姿は消えていた。
海に飛び込んだのか？
いやだとしたら、水音がするはず。
戻ったのか。
サンジはタバコに火をつけ直し、
しばらく空を見ていた。

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