【◇】銀 木 犀 .

6話 ページ6

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教室に入るなり

ザワザワした雰囲気に若干驚いた。

でももう高校生活2年目だしみんな慣れてるからザワザワするものか。









藍里「座席表前に張り出されてるみたい」


A「出席番号順かな？」


藍里「冨田の"と"に…本宮の"も"か…ワンチャンある」









ドキドキしながら

座席表を確認しに行くと…








藍里「ゲッ」

A「どうしたの？藍里」



藍里「A、目悪いっけ？」

A「いや…悪くないよ？」



藍里「チッ」

A「チッて…舌打ちして何かあったの？」








私より座席表を先に見た藍里は

ヤンキー顔負けの威圧感が半端ない顔で座席表を睨みつけ始めた。

なにか気に食わないことでもあったのかな








A「藍里、座席表見えないからもう少しそっちに…」


藍里「アンタは見なくていいの！」


A「なんで！？見ないとわかんない！」








グイグイ無理矢理どかして

やっとの事で座席表を確認すると…








A「隣…」


A「なる…みや…」







本宮Aの隣の席には

あの名前が。







A「成宮鳴……なるみやめい…なるみや…」

A「って、あの成宮…？」







なるほど、道理で藍里が舌打ちをしたわけだ。

そして今も私の隣で番犬のようにその名前を睨みつけてるわけだ。

私は……成宮さんの隣のようだ。








藍里「ほんっと最悪！まぁその問題の成宮の前の席だしAが斜め後ろなのは救い要素だけど！」


A「いやそれよりも…成宮さん同じクラスだったんだね」


藍里「そんなのどうでもいい」









これは…なんか大変になる予感しかしない。

1年間座席固定だったら

1年間こんな調子の藍里を宥め続けなくてはならない。







藍里「エースだろうがプリンスだろうが関係ない！Aの授業妨害でもしてみろ！」


A「ちょっと落ち着いてよ」


藍里「忘れ物して教科書見せてとか言ってきたらぶっ殺す！」


A「殺すとか言わないで藍里」









なんか藍里は犬みたい。

そのうち誰か噛み殺されそう…。

そんなこと藍里はしないけど。








A「成宮さんは…まだ来てないか」


藍里「どうせケバい化粧した女に捕まってんだろ」

A「う〜ん、どうだろうね」







問題の成宮さんはまだ教室に来てないみたい。

それよりも藍里の殺気が半端じゃないよ。

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