【◇】銀 木 犀 .

46話 ページ46

.









鳴「だいたい冨田はちょーっと本宮さんと一緒にいる期間長いからってベタベタしすぎなんだっつーの！！」


藍里「別にいいだろ！行動しないお前が言ってもなーんも感じないね！」


鳴「ムカつく…ちょっと部活でエースだからって調子に乗ってるよ」


藍里「その言葉そっくりお前に返す！」








誰も止めないのが困ったところ。

野球部の人なんてまたやってるよって目だし

キレた藍里はクラスメイトの誰も手をつけられないしで放置状態。







A「あー、もう……！！」






最初は喧嘩するほど仲良いのかなぁ

とか呑気な考えをしていたAも流石の限界。

ついに2人の間に割って入った。







A「成宮くん！藍里！！2人ともいい加減にして！！」








鳴を庇うように間に入れば

ぽかーんとする藍里と

後ろで頭を抱えてる鳴。

ザワつく教室内。








A「どっちもどっちだよ！そもそも藍里がヘタレとか言うから成宮くんが怒ったの！根拠もないこと言わないっていつも言ってる！」


藍里「は、はい…」



A「成宮くんも話かけてきたから話の続き待ってて何回も読んだのに藍里と喧嘩ばっかり！」



鳴「悪いのは冨田…」



A「次喧嘩したら口利かない」








お気づきだろうか。

Aの鳴の呼び方に変化があるのが。

そしてAは珍しく怒っている。

藍里も鳴も怒られた…とは思っているが怒り方自体はそんなに怖くないので普通。

だがこの口利かないが藍里と鳴の心に特大ホームラン。








鳴「ちょ！？何それ聞いてない！！」


藍里「ごめんってば！成宮はヘタレじゃないわ、超ヘタレ！」


A「藍里？」


鳴「誰が超ヘタレだって！？試合見てみろ試合！！ヘタレのヘの字もないし！！」


A「成宮くん？」









反省しない2人に

ニッコリ笑いかけるA。

これはちょっと血の気が引いた。






A「根拠もないこと言わない」



藍里「うぅ…わかってるよ、ただ今まで近づくなって言ってたけどさすがにうじうじしすぎて見てらんないし」



A「成宮くんがヘタレじゃないことはみんな知ってるからそんなに怒んなくても大丈夫です」


鳴「はい…」








鳴は学習した。そして覚えた。

意外と怒るとだんだん怖くなってくると。

47話→←45話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す