23話 ページ23
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購買で買うのは
メロンパンか、クリームパンか、カレーパンか
迷っていると─
鳴「ねぇってば、聞いてるの?」
A「は、はい…!?」
成宮さんに話しかけられてた。
てっきり違う人に声掛けてるのかと。
どうしよう、無視してた感じの悪い人間だと思われたら!!
いや無視は…うん、無視にカウントするのかわからないけど…偶然だし…。
鳴「あのさ、今どこやってた?俺寝てたから話聞いてなくてさ〜」
鳴「先生あんな調子だし、本宮さん助けて」
両手を合わせて
お願い、と頼み込まれた。
あざとい…。
じゃなくて!!
えっと…どこやってたっけ、私も違うこと考えると記憶飛ぶからなぁ。
A「ここから」
鳴「あ、ここか!ありがとう」
差し出された教科書を指さすと
成宮さんはニコニコ笑って
音読を始めた。
元気というよりは眠そうな声で。
野球部の練習風景はあんまり見た事ないけど、挨拶すごいもんなぁ。
鳴「さっきから……」
何気なく聞いていたら
ピタッと成宮さんの読む声が止まった。
じっと教科書を睨みつけては
ん〜、と唸っている。
A(もしかして、読み方わからないのかな)
読む箇所の次は読み方かなと
ちょっと心配になってきた。
成宮さん、世界史は得意だって自信満々だったけど国語は苦手なのかもしれない。
だんだん顔が起こった猫みたいな顔になってきてるし、やっぱ苦手なんじゃ…
鳴「本宮さん」
黒板をぼーっと眺めてたら
ヒソヒソ越えで話しかけられた。
え、私!?
通路挟んで隣にもいるのに…後ろにもいるのに
私なの?
A「私…?」
鳴「うん、本宮さんを呼んだ」
隣だし、それはたしかに聞きやすさでいったら1番かもしれないけど
どうして私なんだろう。
成宮さんはそんなこと気にしてないと思うけど、他にもいるのに。
鳴「これなんて読むの?」
A「それは…"
鳴「あー、すざくおおじって読むんだ…でも読めねぇよこんなの読み仮名ついてたっていいのに…」
やっぱり漢字が読めなかったらしい。
朱雀大路って他の人も読めてなかったし、難しいよね。
なんで私なんだろうって思ったけど
話しかけられたの、なんだか嬉しい。
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ちあき(プロフ) - コメント返し遅くなってすみません!そう言っていただけるとめちゃくちゃに嬉しいです!更新頑張ります!! (2020年3月21日 21時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
白米食べ子(プロフ) - 可愛すぎます!ちあきさんのお話好きなのでずっと待機します!更新も疲れない感じに、応援しております (2020年3月21日 18時) (レス) id: e451aba74f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年3月18日 18時