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3話 ページ3

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初めて出会ったのは1年生の秋頃。


体育祭の時だっただろうか。









「お前野球部のスタメンなのに怪我すんなよな〜」

「まぁ腕と足じゃないだけセーフだったけど」









違うクラスの男子と喋りながら

救護テントに来たのはどうやら野球部の人らしく。

稲実の野球部は甲子園常連の強豪校。

野球部…しかもそんな部活のスタメンということはもうまさにエリートというか、すごい人の集まりって感じだ。









「ごめんごめん、ちょっとテンション上がってはしゃいじゃった」


「監督に怒られんなよ〜」









珍しい髪色に

目と同じ色の青色のハチマキを巻いた男子が1人

私の向かい側に座ってきた。








「あ、君保健委員?」


「はい…そうです」







何だかキラキラしてて

クラスの大半の男子はキラキラしてるけど

この人のキラキラ具合は格別。

もう髪の色からしてキラキラしてるし、目の色がとても綺麗だった。

多分気を抜けばじっと見つめてしまいそう。









「敬語ってことは…1年?」









緊張して声が上手く出ない私は

小さく頷いた。

もしかしてこの人は先輩なのだろうか。

身長ではとても判断できない。









「そっか、ならそんなガチガチに緊張しなくていいよ」


「え…?」


「俺も同じ学年だから!」








俺も同じ学年だから、その言葉でハッとして

改めて相手の顔を見てみた。

落ち着いて見てみれば相手は1年生であれば、いや

この学校にいれば誰もが知る人物だったのだ。









「いやー、なんか騎馬戦してたら顔引っ掻いてたみたいで」


「そう…なんだ」







話し方がぎこちない。

だって話したことない相手だし

この先も話すことはないだろうと思っていた相手だ。








そして本当に野球部?って疑いたくなるくらい

運動部にしては白くて綺麗な肌には

確かに引っ掻き傷がついていた。

男子は騎馬戦でも本気だから相当な戦いだったのだろう。

見てるこっちが痛くて顔をゆがめてしまう。








「じゃあ軽く消毒して絆創膏貼っておくね」

「うん」







頬に絆創膏を貼って

これにて終了かと思いきや

肩をトントン、とつつかれた。








「君、名前なんて言うの?」


「本宮A…」


「本宮さんか、ありがと」









相手はあのエースさんだった。

稲実野球部のエース、成宮鳴。

すぐに走って…どこかに行ってしまったけど。

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ちあき(プロフ) - コメント返し遅くなってすみません!そう言っていただけるとめちゃくちゃに嬉しいです!更新頑張ります!! (2020年3月21日 21時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
白米食べ子(プロフ) - 可愛すぎます!ちあきさんのお話好きなのでずっと待機します!更新も疲れない感じに、応援しております (2020年3月21日 18時) (レス) id: e451aba74f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2020年3月18日 18時

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