No.27 ページ33
( No side )
〔マジ人使い荒いっすわ〜。拙者ただでさえ実習三昧で肉体ヘロヘロ精神ボロボロ状態なんだが？？イベも完走できるか怪しいし素材集め終わらんしマジで人生の低迷期だわー〕
ブツブツ声が漏れる端末を片手にヴィルはネモと遭遇しないよう慎重に歩を進めた
足を運んだ先は＿＿＿音楽室
「着いたわよ」
〔あ、ウッス。恐らくその部屋の何処かにあると思われるから後は頑張ってそちらで探し出して〕
「大雑把ね。何とか特定出来ないの？」
〔流石にそれは無理難題というか………大まかな場所を特定しただけでも有難く思って欲しいっすわ〜…〕
ボソッと呟かれた声にヴィルは聞こえてるわよと舌打ちし、部屋をざっと見渡した
「(あの子と連弾した日が懐かしいわね…)」
不意に脳裏に蘇ったのはピアノの音色
夕暮れの音楽室で二人で連弾した日を思い出した
「まさかね…」
ヴィルは音楽室に堂々と居座る最新のピアノを素通りし、準備室の扉を開けた
すぐに視界に入ったのは埃被った型落ちのピアノ
あの日と何一つ変わらずそこにあった
半ば確信したヴィルは重点的に型落ちのピアノを探り始めた
鍵盤、譜面板、大屋根など…一つずつ調べていく
「…あったわ」
それは、脚柱を調べている時だった
ピアノ本体の裏側に潜り込んでみたら、そこにピッタリと一枚の御札が貼られてあったのだ
正門で見つかった物と同じ札。間違いなくあの少女が遺した物だった
少女の残し物にヴィルは慈しむように触れた
同時刻、コロシアム
レオナは数ヶ月前の夕暮れを思い出していた
＿＿＿え…違いますけど…
レオナの「砂遊びでもしてたのか」という質問に対する少女の言葉だ
彼女は何故かあの日、手を泥で汚していた
「確かに砂遊びではねぇな」
「何の話っすか？」
「なんでもねぇ。…おら、いいから手ェ動かせ」
レオナはラギーやジャックらサバナクローの寮生を掻き集めコロシアム中の地面という地面を掘らせる
イデアによると建物の何処かに御札があるとの事だが、レオナは地面に埋められていると確信していた
あの夕暮れの日、少女が一人泥で汚れていた理由が漸く分かって獅子は一人ほくそ笑む
「寮長！ありました！」
寮生の一人が缶を掘り出し叫んだ
レオナは急いで中身を確認する
「札が見つかった。確認完了だ」
〔お疲れサマンサ〕
レオナは端末に向かって手短に報告した
少女の残した御札は残り2つ
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くらげ - コメント失礼します！2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです！次回作が作られたら速攻で見ます！これからも頑張ってください！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します！全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します！！この前の小説も今回もとても素敵なお話でした！初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します！！！！！とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年12月25日 18時
