【ツイステ】N e m o

No.23 ページ26

(レオナside)


こんなこと前にもあったな、と内心懐かしみを感じながら俺は部屋を視線だけで見渡した


顔触れは以前と少し違うが




「まさか学園に災厄の器が忍び込んでいたなんて…うっうっ、苦労が絶えない」


緊急招集をかけられ赴いた学園長室は異様な雰囲気を醸し出していた

緊張感で言えばあの深淵の日と変わらない程の重苦しさ





「で、ネモとか言ったか。今奴はどこにいやがる」

「構内を徘徊しています。致死毒ではありませんが、原因不明の毒素を周囲にばら撒いているため、近寄るのは危険です」

「十中八九、第三の厄災ニガヨモギの権能ね。まだ半覚醒って感じだったけど」




その場にいたヤツらの話によると、ネモは突然笑ったかと思うと次の瞬間には身体中から葉を生やしたらしい


葉＿＿＿ニガヨモギはネモの顔をも覆い尽くした



歩く植物。そんな化け物じみた姿の奴がこの学園を今も尚闊歩しているらしい






〔ウィーッス、どうも国際魔法士連盟で〜す。皆さんお久しぶり〕



そんな時、部屋に突如響いたのは軽薄そうな声

何かと関わりのある連盟の野郎だった



男はクロウリーの携帯端末から音声だけ電波に乗せて俺たちに続けた





〔話は聞かせてもらいました。学園に厄災の器がいるらしいですね〕

「らしいですね、じゃねぇ。とっとと連盟の奴らを動員しろ」

〔もちろんです！……と言いたいところなんだけど〕




急に真剣な声になった男に部屋の空気も引き締まった




〔空から熱源反応。それも複数。連盟はそちらの対応に追われて暫く学園には行けそうにない〕

「熱源反応って……まさか隕石？」

〔そのまさか。ネモって子、権能を上手くコントロール出来てないみたいでさ、暴発しちゃったみたい。隕石の大盤振る舞いで連盟はてんやわんやだよ〕




あははと電話越しに男が笑うが頭がおかしいのだろうか

隕石が複数となれば世界は無事ではいられない


まさに神話の再現。世界の終わりが近付いている




〔すまないが、暫く持ち堪えて欲しい。出来るよね？〕


連盟の言葉に俺たちは一斉にため息をついた


この雑さは俺らの力を見込んでか、それともただ単に鬼なのか









「おい、その前にネモの正体について話がある」




そう言うと、皆が一斉にこちらを振り返った


…一人を除いて






「テメェ、あいつについて知ってんだろ。なぁ…」



目を合わせない奴に俺は確信を込めて言い放った









「＿＿＿カリム･アルアジーム」

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