No.19 ページ22
嵌められた
そう気付いた時にはもう遅かった
「ちょ〜っとオレらとお話しようか」
音もなく背後から肩に腕を乗せてきた男＿＿＿本物のフロイドがネモを脅すようにそう言った
わたしはガタガタと体を震わせる
「彼のメイク技術はやはり凄いですね」
「ジェイド演技上手かったよ〜ほぼオレだったもん」
「ありがとうございます、フロイド」
わたしを挟んで双子が言葉を交わす
その間にも本物のジェイド･リーチは分け目を直したり黒のメッシュを左に戻したりしていた
タレ目だと思っていた目は、よく見るとメイクで誤魔化してあっただけで実際はツリ目だった
「貴方が僕の顔に化ける時をずっと待っていました
もう僕には擬態してくれない可能性もありましたが、また利用してくれたみたいで嬉しいですね。今後ともご贔屓に」
「ビックリしたァ？急に本物が現れて驚いたでしょ〜。イシダイ先生の奇襲作戦大成功じゃ〜ん」
『(騙された)』
双子がいつの間にか入れ替わっていた
それに気付かずわたしはまんまとジェイド本人の前でジェイドを演じていた
なんという道化。まさに滑稽
ジリ…と後ずさるとフロイドの胸板にぶつかった
「逃がさないかんな」
死刑宣告にも似た響きにわたしは小さく悲鳴を上げた
「とりあえず署まで御同行お願いします…なんてね」
おどけた様にジェイドが言うがその目は全く笑っていない
『(逃げないと…！！)』
双子の捕食者の眼光
わたしを連行しようと二人が長い腕を伸ばし迫った
「逃げんなよ、偽ジェイド」
＿＿＿やれ！今すぐに！動け！！
『＿＿＿
「「！？」」
僅かな隙を見逃さずネモはそう叫んだ
自分たちが優勢だと油断していた二人がすかさず懐からマジカルペンを取り出す
だが
「ッ！」
「ちょっ、メンダコちゃんはズルいって！！」
二人が魔法を繰り出す前に蹴り上げてペンを弾いた
今回成り代わった相手は＿＿＿リリア･ヴァンルージュ
先日花壇で妖精がわたしの手を取った時
わたしはあの一瞬で妖精の顔を盗んでいたのだ
双子が弾かれたペンを拾っている間にわたしは鍛え上げられた脚力でその場を脱出する
「二人が脅すようなこと言うからァ！！」
「はァ！？オレのせいかよ！？」
「BE QUITE！！」
相手はいつの間にか仲間と合流しており、冷や汗が頬を伝う
地獄のチェイスが幕を上げたのであった
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くらげ - コメント失礼します！2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです！次回作が作られたら速攻で見ます！これからも頑張ってください！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します！全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します！！この前の小説も今回もとても素敵なお話でした！初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します！！！！！とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年12月25日 18時
