No.18 ページ21
結局あの日は何度試しても外に出ることは叶わなかった
何者かによって学園に閉じ込められてしまったわたしは再び潜入生活に戻る他なかった
妖精の前から姿を眩ませるのは割と簡単だった。彼は彼で何かに気を取られていたから
『(学園から出る方法も見つけないと)』
やることが一つ増えた
しっかりしろ自分
心の中で気合いを入れ直してわたしはまた旅への一歩を踏み出した
己と、学園からの脱出方法を探す旅へと
.
.
.
.
.
.
.
「あ〜こんなところにいた〜。探すの大変だったんだけど」
『フロイド？』
それはわたしがジェイド･リーチの顔を借りて学園を闊歩している時だった
背後から声をかけられ振り向くと、そこには双子の兄弟フロイドの姿が
『どうかしましたか？』
「どうもこうも、昼にラウンジ集合って朝話したじゃん。ジェイドが道草食ってるせいでアズールに呼んでこいってパシられてんだけど」
しまった
フロイドに悟られぬようネモは内心で冷や汗をかいた
「行くよー」と歩き出した彼の背中をわたしは緊張した面持ちで着いて行く
『(ジェイド本人と出くわしたら最悪だ…どうしよう…)』
ネモのユニーク魔法【
けれど読み取れる記憶は相手に触れた時点までのもの
記憶を更新するためにはその都度相手に触れる必要があった
『(でもネモがジェイド･リーチに触れたのは先生に追いかけられた時が最初で最後)』
つまりわたしの中でジェイドの記憶は数日前で止まっている
だから昼にラウンジで会うという話もネモは全く知らなかった
朝彼らが話した内容など、ジェイドに触れてないネモにはあずかり知らぬ事だった
『(隙を見て逃げよう)』
それしかないなと小さく息を吐いた
「ねぇ、聞きたいことあんだけど」
その時、前を歩いていたフロイドが振り返らずに声を掛けてきた
「名前、聞いてもいい？」
『は？』
意味が分からない質問
思わず素っ頓狂な声が漏れた
『…ジェイド･リーチ』
辛うじてそう返す
するとフロイドは何やら楽しげに笑い出した
「それはおかしな話だよねぇ」
緩慢な動作で彼が振り返る
「ジェイドはこの僕なんですから」
彼の手にあるのは＿＿＿カラーコンタクトだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ - コメント失礼します！2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです！次回作が作られたら速攻で見ます！これからも頑張ってください！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します！全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します！！この前の小説も今回もとても素敵なお話でした！初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します！！！！！とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年12月25日 18時
