第9の呪い ページ10
(監督生side)
期末テストも無事…ではないけど終わり、私はアズール先輩との契約を果たすために色々動くことになった
イソギンチャクを生やされた生徒達のためにも、担保として差し出したオンボロ寮を取り返すためにも
負けられない
期日は今日含めてあと3日
それまでになんとか写真を取って来なければ……
「ん?あれAさんじゃないっすか?
食堂に一人なんて珍しい事もあるんすね〜」
「あぁ…、タコ野郎と喧嘩したっつってたな。まだ絶賛仲違い中なんだろ。いつもの事だ」
「また?飽きないっすねぇあの二人も…」
一緒に朝食を取っていたレオナ先輩とラギー先輩の会話に、私はパッと食堂の入口を振り返った
「A先輩!!」
『!』
そこには今日も絶好調に美人なA先輩の姿
私に気付くと遠目でも分かるほど顔を綻ばせて軽やかに駆け付けてきた
『…!!』
「ぐぇ」
毎度の如くガバリと抱き着いてくる先輩を受け止める
はい今日もいい匂いです
「なんだお前ら、知り合いだったのか」
「知り合いなんてもんじゃないです!!友達です!!」
『!! ……♡!』
うんうんと力強く頷いた先輩が嬉しそうに私と腕を絡める
メロメロ
「コイツが前ユウの言ってたすっげー美人な先輩なんだゾ?」
『!…♡♡』
「ふなぁッ!? やめるんだゾ〜〜!」
グリムに気付いた先輩がよしよしと毛玉を撫でくり回す
副音声で"可愛い〜♡♡"と聞こえてきそうだ
グリムも満更でもなさそうに先輩の手を受け入れて、段々と顔も蕩けてきている
おちたな(確信)
「はァ…無言だってのにどうしててめぇはそうも騒がしいんだ? 声が戻ったら一層うるさくなりそうだな」
『……!』
ぷんっと腰に手を当てて眉を上げるA先輩
ていうか、え?
「え、と…A先輩が喋れないのは生まれつきとかそういう訳では…」
「違いますよー。Aさんもアズールくんと契約して声が出せないんす。ね?」
『〇』
YESと両手で〇を作った先輩の表情は悲観している様にも怒っている様にも見えなかった
いつものニコニコ笑顔だ
声が出ないというのに、どうして笑っていられるんだろう
「じゃあもし契約書をどうにかしたら、先輩は喋れるようになる?」
『〇』
頷く先輩に質問を続ける
「アズール先輩との契約、破りたい?」
『……△』
困った様に笑う彼女
三角を象る手は"どちらでも構わない"と言ってるみたいだった
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瑠璃(プロフ) - 軽い気持ちで、寝る前に読んでたら泣きすぎてヤバかったです。バットかと思ったらちゃんとその後もあって救われました。良い作品ありがとうございました! (2月1日 1時) (レス) id: 7cf0957e0e (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - 久しぶりに感動しました!期末テスト明けだったのでめっっちゃメンタルが回復しました!ありがとうございました! (9月6日 23時) (レス) @page50 id: 9426ee414d (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 全私が泣いたッッッ!!!もう1リットルくらい涙流した…。もうお゛しあ゛わぜにッッッ!!!!! (6月11日 9時) (レス) @page50 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 泣いた。好きいいいいいい ハピエンで終わらせてくれないところがさあああああ (2022年10月29日 23時) (レス) @page50 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
春の夜 - ほんと好きです(ごいりょくそうしつ) 貴方様の美しい地獄にはいつも胸を刺されます。 (2022年9月4日 18時) (レス) @page49 id: fac8821556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニノココ | 作成日時:2020年11月13日 18時