【ツイステ】親愛なるタコに呪いを贈る

第33の呪い ページ35

(夢主side)



『休憩入ります〜！』

「行ってらっしゃい〜」



家から程近い職場

今日もテキパキと楽しく仕事を片付けて、頃合いを見て同僚と一緒に休憩に入る




「あ。昨日の夕食唐揚げだったでしょ」

『あら、バレちゃった？』

「旦那さんの好物だっけ？良妻かよ

はぁああ…ご馳走さまお腹いっぱいです」



職場のお友達が私の弁当箱の中身を見てニヤニヤと笑った

このやり取りももう恒例だ





「私の運命は何処にいるのかな。一生独身な気がするわ」

『焦る必要なんてないわよ』

「まぁ実際そこまで彼氏欲しいとも思わんけど。なんだかんだ一人が気楽なんだよねぇ…」

『それも素敵な人生ね！貴方らしくて私は好きよ』

「A〜なんていい子なの、お姉さん涙がちょちょぎれそう」



おかずをつつきながら二人で世間話に花を咲かせる


恋愛観や将来の話やちょっとした愚痴も零したり

カフェスペースの一角で二人ワイワイと盛り上がる




「ここだけの話、子供についてはどう思ってる？気分を害したらごめんね」


友人がコソッと音量を落として尋ねる

子供については人それぞれの価値観と事情があるから、友人もこうして下手に聞いてきたのだろう


私は彼女のこうした時折見せる配慮がとても大好きだった



『大丈夫よ〜！

子供かぁ…そうねぇ…』


ふとアズールとの夜の事情を思い出してポッと顔に熱が集まる


いけないいけない、仕事中よ！

気を緩めないの！





しばし悩んで徐ろに口を開く



『ふふ、私は大歓迎よ

……でももうちょっと旦那さんと二人きりの生活を楽しみたい、かも…』

「くぅううぅうう」


突然奇声を発した友人が「一生幸せでいてください」と呟いたので『ま！ありがとう！』と笑って返しておいた






〔＿＿＿ここで速報です

本日正午、〇〇地区にて大雨の影響で斜面が崩れる等の土砂災害が発生しました

崖に隣接する公道も土砂崩れに巻き込まれたという事で、走行していた車両数台が今も行方不明となっております。救助活動は今も続いており…＿＿＿〕





「うわぁ、これは…」


カフェスペースに設置されたテレビから速報を告げるアナウンスが鳴り、物々しい雰囲気でキャスターがニュースを告げた


映し出された土砂災害の様子に眉を顰める






『(あら…、ここアズールの取引先と近い所だわ…)』


大丈夫かしらと閉口する



なんとなく、嫌な予感がした






＿＿＿＿プルルルルッ



その時、携帯が震動して着信を告げた

第34の呪い→←第32の呪い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す