第15の呪い ページ16
「そこのお前の雷の魔法！
その隣のヤツの運動能力！
全部、全部僕に寄越せぇ！！」
怒りで自分の感情の制御が効かない
僕は近くにいるヤツらから次々と問答無用で能力を吸い上げて投げ捨てた
「アズール！貴方なにをしているんです！」
「うわ、何これ。どーなってんの？」
寮に帰ってきた双子達が騒ぎに気付いてこちらに駆け寄ってきた
その姿を見て僕は「あぁ…」と吐息を漏らす
「ジェイド、フロイド、やっと戻ってきてくれたんですね」
普段共に過ごす彼らが今はただの" 良い能力を持った格好の的 "にしか見えない
もうなんでもいいから手に入れたい一心で手を伸ばす
「あなた達の力を僕にください！
ねぇ、僕にくださいよぉ！！」
「お待ちなさい！貴方のユニーク魔法は強力すぎる故に契約書無しでは制御出来ないはず
そんなことをすればどうなるか、自分が一番よく分かっているでしょう！」
五月蝿い
だって、だって全部無くなったんですよ
全て僕の手から零れ落ちて行った
強力な魔法も
運動神経も、
＿＿＿＿……彼女の声も
「あのさぁ、今のアズールって、昔のアズールよりずっとダサいんだけど」
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、そうですか。
だからなんだと言うんだ
「Aだってこんなアズールの姿見たら絶対幻滅するでしょ
オギャッて泣き喚くダサダサ男なんて流石のAも見捨てるんじゃない？」
A
……Aの名を出され一瞬動きが止まる
「Aの……、彼女の声も奪われた！！
やっとの思いで奪い取った彼女の声を！！
契約書をめちゃくちゃにしたヤツらを野放しになんてしておけるか！！」
そうだ、A
あの子がまた口を開く前に声を奪ってしまわないと
この際人魚の姿に戻ってもいい
10本の手足で彼女を雁字搦めに拘束して、どこにも行かないように檻にでも入れてしまおう
そうだ、それがいい
「何故貴方が彼女の声にそこまで執着するのか知らないので、共感は出来ませんね」
「そーそー、なんでAの声取ったのか聞いてもアズール教えてくれないし」
「…テメェらも知らなかったのか」
うるさい、
うるさいうるさいうるさいうるさい
「奪うしかなかったんですよぉ！！
だって彼女のユニーク魔法は……＿＿＿＿」
『アズール?』
聞こえてきた声に、息が止まった
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瑠璃(プロフ) - 軽い気持ちで、寝る前に読んでたら泣きすぎてヤバかったです。バットかと思ったらちゃんとその後もあって救われました。良い作品ありがとうございました！ (2月1日 1時) (
レス) id: 7cf0957e0e (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - 久しぶりに感動しました！期末テスト明けだったのでめっっちゃメンタルが回復しました！ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) @page50 id: 9426ee414d (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 全私が泣いたッッッ!!!もう1リットルくらい涙流した…。もうお゛しあ゛わぜにッッッ!!!!! (6月11日 9時) (レス) @page50 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 泣いた。好きいいいいいい ハピエンで終わらせてくれないところがさあああああ (2022年10月29日 23時) (レス) @page50 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
春の夜 - ほんと好きです(ごいりょくそうしつ) 貴方様の美しい地獄にはいつも胸を刺されます。 (2022年9月4日 18時) (レス) @page49 id: fac8821556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年11月13日 18時
