第321夜 ページ38
(ハリーside)
5年生というのは思った以上に大変なものだ
アンブリッジのせいというのも勿論あるが、それ以前に5年生に課される宿題はそれまで以上のものだった
どの先生もO.W.L、O.W.L
皆同じ話ばかりして、競うように課題を出してきた
それを熟すだけでも大変だというのに僕の神経をすり減らすものは他にもある
アンブリッジの罰則に周りの視線
何か理不尽な事が起こる度、イライラする度に傷跡が痛んで仕方なかった
ロンがクィディッチのキーパーになったり、マルフォイに何故か元気がなかったりと、悪いことばかりではなかったけど
ある朝食の時間
いつも通り何羽ものふくろうが飛び交い各々に荷物を落としていくのをぼんやり見ていた
「あ、フクロウ便だ」
ロンのところにも一通送られてくる
ハーマイオニーも新聞を受け取って早速読み始めていた
暫くは進んでそんなものは読みたくないので僕は無視して食事に戻る
「おいこれパーシーからだ。しかも長々と」
スコーンを齧っているとロンが僕たちに見えるようにテーブルに手紙を広げてきた
それをハーマイオニーと揃って覗き込む
「"監督生就任おめでとう。この知らせは僕にとって嬉しい驚きだった。正直君はフレッド･ジョージ路線を辿るのではないかと僕は常々危惧していた"」
手紙の出だしは監督生就任を祝うものだった
けれどその後の内容に僕は眉を顰める
「"しかし僕はお祝い以上に君に言いたいことがある。君は未だポッターと親密と聞いた。ロン、君に言いたいのは、あの少年と付き合い続けることほどバッジを失う危険性を高めるものはないということだ"
あいつ、こんなくだらないことのためにわざわざフクロウを寄越したのか？」
手紙にはまだ続きがあったけれどロンが馬鹿馬鹿しげに破り捨ててしまう
その態度に僕は沸騰しかけた理性が寸前の所で冷めたのを自覚した
「私のところにも手紙が来たの」
「ジニー、おはよう」
「おはよう皆」
散り散りになった手紙が魔法で灰にされる頃に斜め前からジニーが声をかけてきた
手に質のよさそうな手紙が握られている
「読んでみて」
差し出された手紙を三人でまた覗き込む
"親愛なるジニー
お元気ですか？まあ元気なんでしょう。そういうことにしとくわ
手紙書く時っていつも書き出しで迷うのよね
だから貴方相手だし長い前口上なんて省かせてもらうわ"
美しい筆跡
けれどそれとは裏腹に、手紙の内容は親密そのものだった
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
