第286夜 ページ3
(セドリックside)
修了式の後、ダンブルドアから指定された日にちまで僕は自宅で待機する事になった
僕としてはずっと城に残っても良かったが、それは先生が許してくれなかった
曰く、「親と共に過ごす事も君の任務なのじゃよ」とのこと
そう言われてしまったら僕としては従うしかなかった
家に帰ると涙を浮かべた両親に迎えられた
死んでもおかしくなかった状況で、大きな怪我もなく帰ってきたことに二人は感激していた
全てAのおかげだ
「しっかりAを守ってあげなさい。助けられたんだから、今度はお前が彼を救う番だ」
「分かってる」
言い聞かせるように、意志を確かめるように
父は僕に何度も「Aを守れ」と告げた
僕が何か働きかけることも無く
ディゴリー家は、僕を含めて全員が不死鳥の騎士団に入る事を決意した
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「じゃあ行ってくるよ」
静かな朝
街の喧騒もまだ届かない、鳥がようやく囀り始める頃に僕は家を出た
「気をつけてね」
「また騎士団でな」
健闘を祈ると両親に背を押される
きっと心配だろうに、それらを一切感じさせない笑みで僕を送り出す二人に尊敬の念を覚えた
「行ってきます」
もう一度告げて、そして僕は返事を待つことなく姿くらましでその場を後にした
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「よう来たのセドリック」
「先生。おはようございます」
「あぁ、おはよう」
学校の最寄りの小さな街____ホグズミードで僕を待っていたのは城の長ダンブルドアだった
ホグワーツには姿あらわし出来ないからここで落ち合うことになっていたのだ
「Aの調子はどうですか?」
「あまりいいとは言えんの」
思った通りの答えに僕は眉を寄せる
城への道中聞かされたAの話は僕が渋面を作るのに充分な内容だった
「昨日も理性と狂気の狭間で闘っておった弊害で、城の一部が半壊するところじゃった。セブルス達と3人がかりでようやく押さえ込めたんじゃよ」
Aはホグワーツ始まって以来の天才と言っても過言ではない
その彼を抑え込むのは中々大変だっただろう
「(僕に務まるかな…)」
不安が急に押し寄せる
それをいち早く察知したのか、校長が安心させるように笑った
「心配するでない。心を許した者ならばAもきっと理性を取り戻すじゃろう」
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…!!話の展開にとてもワクワクしてます!!更新応援してます! (2021年12月17日 0時) (レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ニノココ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります!! (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ニノココ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお!!!! (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!!更新待ってます!頑張ってください! (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…!!! (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニノココ | 作成日時:2021年9月12日 16時