第294夜 ページ11
(セドリックside)
怒りと不満と八つ当たり
それらが当たり前の毎日になっていたから、ウィーズリー家の人達やハーマイオニー･グレンジャーが騎士団にやってきた時、僕は心の底から感謝した
「「久しぶりだなセドリック」」
「久しぶり」
特に双子とは同学年という事で安心したのか、それまで無理して取り繕っていた外面がポロポロと剥がれ落ちていくのを自覚した
「ここでの生活はどうよ？順調？」
「いや、それが…」
歯切れの悪い僕に二人が根掘り葉掘り問いただす
僕は現状を包み隠さず話すことにした
どうせ直ぐに露呈することだ
「…なるほどねぇ」
「それでAは俺たちが来たのに部屋に引きこもったまんまなのか」
「いやそれは寧ろ通常運転なんじゃ…」
双子のAへの絡みはとにかくしつこくてウザいので有名だ
ある程度構う分には大丈夫だが、一定のキャパを超えるとAはすぐに逃げ出す
まるで猫みたいだが、本人は犬派だと言うのだから面白い
「インドア小僧とシリウスの仲が最悪なのは分かった」
「でもずっとホコリ被った部屋にいるのは体に悪いだろ？」
「「なら俺たちが適度に外に連れ出してやんなくちゃな」」
なんの衒いも無くそう言う双子に、僕は眉を寄せて首を振る
「それが出来たら苦労してないって……Aが部屋から一歩でも出るとシリウスがカンカンに怒るんだ」
「大丈夫だって！俺たちが一緒ならシリウスもちょっとは大人しくしてくれるだろ」
だからそんな単純な事じゃないんだって…
しかし引き止めるのも面倒になって僕は暫く放任することにした
一旦話し合いは終わりだと立ち上がる二人
「ちょっとAの部屋覗いてみようぜ」
「賛成」
だが双子が軽い調子で放った言葉に僕は慌てて腕を掴んで引き止めた
「今は駄目だ！」
「はぁ？なんでだよ」
「俺たちにもAと会わせろー」
ブーブー文句を垂れる二人に僕は再度「駄目だ」と言い切る
「なんで？」
「…聖水と鎮静剤の効果がほぼ切れてるんだ。今Aに近付くのは危険だ」
昨夜の事だ
水差しを交換しに部屋に行くと、彼とは思えぬ殺意の篭った瞳に睨まれたのを思い出す
あの時は本気で視線だけで射殺されると思った
彼が魔法を使えていたら恐らく傷の一つ二つは出来ていただろう
「…オーケー、今会いに行くのはやめとくわ」
「まだ死にたくないしな」
何とか引き止める事が出来て僕はホッと肩を撫で下ろした
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
