第300夜 ページ17
(シリウスside)
「何を、している…！」
黒い影が横を通り過ぎる
私が言葉を発するより速く、その影は殺戮衝動に囚われた少年に掴みかかり地面に押し倒した
「…何をしようとしていた…！」
その問いかけは他人の四肢を捥ごうとしていた少年に向けられたものではなかった
私だ。私を問い詰めている
「……そいつがイカれてたんでね。ちょっと眠らせようとしていただけさ」
「フン……大方、貴様が先に挑発したのだろう。その結果がこれだ」
影＿＿＿＿スネイプはそう言って懐からスキットルを取り出し無理やりJr .の口に突っ込んだ
「来訪は明日と聞いていたが？
急に来られてもこちらにも準備があるんだがな……貴様の顔を見ても吐かないための準備が」
鼻を抑えられ無理やり嚥下させられているJr.を横目に憎まれ口を叩く
スネイプはそれに対し鼻で笑った
『せ、んせ…』
「少しは落ち着いたかなMr.ヘルエレガル」
『ん……』
慣れた手つきで注射針をJr.の腕に刺すと、Jr.はみるみるうちに脱力してスネイプにもたれかかった
先程までの身を刺すような殺気と狂気はもう感じられない
『……ぼく、また…』
消え入りそうな声
その声音からJr.が先程の事を後悔しているのが窺えた
「…少し眠りたまえ」
『……ん』
言われるまま目蓋を閉じたJr.から間もなくしてスゥ…と小さな寝息が零れた
鎮静剤が効いて入眠したようだ
「この者を責めたところで何も解決しないことを、その小さく萎んだ脳味噌では理解しきれないとお見受けした」
「……何だと？」
スネイプはお世辞にも寝心地がいいとは言えないベッドに少年を横たえ、薄っぺらの布を気休め程度に肩から掛けてやった
それから急に私を冷めた目で貫くと、粘着質な声で挑発してきた
「貴様の本質は学生時代から何も成長していない」
「…ほう」
「傲慢と自惚れ。排他的意識と凶暴性。大人の皮を被った子供。それが今の貴様だ、シリウス･ブラック」
「分かったような口をきく」
一触即発の空気
互いが互いを傷付けようとする研ぎ澄まされた緊張感
「私を責める程、その餓鬼が大事か」
闇の軍勢を率いる魔法界の面汚しに肩入れする貴様はやはり未だ闇に囚われているのだと、そう告げる
するとスネイプはまた鼻で笑った
「暴力から我輩を助けてくださった方の、大切な一人息子だからな」
スネイプの瞳から私の過去の罪もろとも穿つような視線が放たれた
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
