第276夜 ページ41
(ハリーside)
城に戻って数刻後
「闇の帝王はお前を殺し損ねた……代わりに俺がやり遂げたら、あのお方がどんなに俺を褒めてくださることか」
僕はマッドアイ＿＿＿否、マッドアイに化けた何者かに追い詰められていた
こいつは、元凶だ
「闇の帝王と俺は共通点が多い。二人とも自分の父親に失望していた」
僕の名前をゴブレットに入れ
「そして二人とも、同じ楽しみを味わった……自分の父を殺し、闇の秩序が確実に隆盛し続けるようにしたのだ」
クラウチ氏を殺し
＿＿＿＿Aを狂わせた一端を担ったのも
ホグワーツの翳りは全てこいつの仕業
まんまと騙されていた
「(もっと早く気付けていたのなら…)」
そんなもしもを考えてしまう
過去には戻れないと分かっているのに
「A･ヘルエレガルも大したこと無かった。あれは完璧なようでいて、誰よりも脆く、隙があった」
あのアトラス･ヘルエレガルを父に持つとは思えぬ程、腑抜けた少年だった
「いや違うな。あの少年は本来はもっと用心深く育てられていた
だが変わってしまった。変えてしまったのだ
＿＿＿＿このホグワーツがな」
僕たちが……
なんてことない日常に溶け込む、白い少年の背が脳裏を過ぎる
「さてハリー･ポッター。あの方が戻られた今、お前たちに輝かしい未来などない」
意気消沈した僕の眼前に杖先が向けられた
「お前を殺してあの方への手土産とする」
くたばれと、偽物の義眼が血走った
僕も条件反射で杖を構える
切られた腕から涙のように血が流れた
刹那
「嘶け、グリフィン」
薄暗い部屋に響いたのは、凛として佇む白百合のような声
「グゴォアォオオッッ！！」
「なっ！？」
そして城をも震わす獣の咆哮が轟いたと思った次の瞬間には、マッドアイはガラス瓶の並ぶ戸棚へと背中から叩きつけられていた
僕は瞠目して入口を振り返る
そこに居たのは
「Bonjour、死喰い人さん」
……リゼット･アルディ
だがその姿は、彼女の顔には
「辞世の句は出来ていて？」
はぁはぁと漏れる荒い息
普段の彼女からは想像できぬ、荒れた髪と無惨に引き裂かれた血濡れの制服
「……その、傷…」
右の額から左頬に走る爪痕
抉れて陥没した右目
今にも事切れそうな彼女が己の使い魔を労るように撫でる
「そこまでじゃ」
そして校長の登場によりいよいよ死喰い人は逃げ場を失うのであった
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ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ろあさん» なんと！ハリポタ沼に落ちてくれましたか〜！！(感激) きっかけが私の小説だったのも嬉しいです！ このままどうぞハッピーハリポタライフをお楽しみください笑 応援ありがとうございます！！ (2021年9月14日 15時) (
レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ろあ - 炎のコブレット編完結お疲れ様です。そして更新ありがとうございます!!!!恥ずかしながらハリポタ映画、原作未修民だったのですが、ニノココさんのおかげでようやくハリポタの沼に無事堕ちることになりました感謝です...。応援しています!!(*´-`) (2021年9月12日 22時) (レス) id: 19553e8290 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - Anemone．さん» 更新お待たせしました！ 6週もしてくれたんですね！作者冥利に尽きますっ！ちょっとでもワクワクしていただけるようなお話作り頑張りますね！応援ありがとうございます！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
Anemone．(プロフ) - このお話が本当に大好きで寝る前に何度も読み返させて頂いています。(現在6週目に突入致しました。)今後の展開がとても気になって毎日ソワソワしている自分がいます。笑 これからも作者様のペースでご自愛しながら更新頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2021年9月1日 21時) (レス) id: 713158dcbc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ルイさん» あああああありがとぉおおおおおおお！！！！ (2021年8月31日 23時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年11月16日 19時
