第274夜 ページ39
(ハリーside)
視界が回った次の瞬間には、僕は地面に体が叩きつけられていた
うつ伏せに転がる肢体
僕の耳に愉快なマーチが流れ込んできた
…帰ってきたんだ、ホグワーツに
そう認識すると同時に、右手で強く握りしめていたAのシャツに一層皺が寄った
…そうだ、Aは
一瞬飛んでいた意識が戻ってくる
僕は急いで身を起こすと仰向けに倒れ込んだAの顔を覗き込んだ
「Aッ！しっかりしろ！」
と同時にAを挟んで反対側からセドリックの悲痛な叫びが上がった
『あ、ァあ…』
身体を拗らせ苦悶の呻き声を上げるA
その瞳には先程までの弱々しい光すらなかった
…また虚空を見つめている
急な事態にざわめいていた周囲が更に混乱に陥る
誰かは叫び
誰かは悲鳴を漏らし
誰かは呆然と立ち尽くす
誰もがいるはずのないAの存在に、そして普段とはかけ離れた痛々しい姿に狼狽していた
「ハリー！セドリック！！これは一体どういうことじゃ！！」
苦しみを和らげる事も出来ずに僕とセドリックの声に涙が混ざる
その時、足早に観客席から降りてきたダンブルドアが怒鳴る様に尋ねてきた
「あの人が、戻った」
緊張の糸が切れたセドリックがしゃくりあげながら、Aに覆いかぶさりながら言う
「ヴォルデモートがッ先生…！」
僕らの言葉に愕然と蒼白になる大人達
だが一刻を争うAの容態に気付くと僕らをAから離そうとした
「イヤだッA！Aッ！」
「セドリック！離してやりなさい！先生達の邪魔になる！」
エイモス･ディゴリーがセドリックを力ずくで遠ざける
僕も先生達によってAから引き剥がされた
「これは魔力汚染…！」
「セブルス、聖水を！」
額から汗を滲ませるAのシャツを肌けさせると、先生達は深刻そうに慌ただしく動いた
彼の胸には真っ黒な絵の具に塗り潰されたかのように、ナニカ得体の知れない物が広がっている
『ァ、ァアア』
仰け反るAの口からはとめどなく血が溢れる
墓場でもずっと血を吐いてた
このままじゃ失血死する！
「吐血は認識阻害の魔法薬の副作用です！」
「なんじゃと…？」
慌てて告げると一瞬考え込むように先生は押し黙った
「ポッター、来い。お前に出来ることはない、ほら…」
マッドアイに引き摺られるように僕はその場を後にする
最後に見たAに、いつもの自由な面影はどこにもなかった
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ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ろあさん» なんと！ハリポタ沼に落ちてくれましたか〜！！(感激) きっかけが私の小説だったのも嬉しいです！ このままどうぞハッピーハリポタライフをお楽しみください笑 応援ありがとうございます！！ (2021年9月14日 15時) (
レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ろあ - 炎のコブレット編完結お疲れ様です。そして更新ありがとうございます!!!!恥ずかしながらハリポタ映画、原作未修民だったのですが、ニノココさんのおかげでようやくハリポタの沼に無事堕ちることになりました感謝です...。応援しています!!(*´-`) (2021年9月12日 22時) (レス) id: 19553e8290 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - Anemone．さん» 更新お待たせしました！ 6週もしてくれたんですね！作者冥利に尽きますっ！ちょっとでもワクワクしていただけるようなお話作り頑張りますね！応援ありがとうございます！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
Anemone．(プロフ) - このお話が本当に大好きで寝る前に何度も読み返させて頂いています。(現在6週目に突入致しました。)今後の展開がとても気になって毎日ソワソワしている自分がいます。笑 これからも作者様のペースでご自愛しながら更新頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2021年9月1日 21時) (レス) id: 713158dcbc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ルイさん» あああああありがとぉおおおおおおお！！！！ (2021年8月31日 23時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年11月16日 19時
