第196夜 ページ10
「＿＿＿＿それにしても、よく君のお父さんが夜の外出を許したね」
『父ですか？』
食事も半ばになった頃唐突に男がそう言い出したのを怪訝に聞き返す
「アトラスさんが過保護だっていうのは結構有名なんだ。彼も一人息子のお願いは断りきれなかったかな」
『へ、へぇ…そんな噂が…』
引き攣りそうになる顔を抑えなんとかそう返す
『父も今日たまたま用事があるらしく…忙しくて僕に構ってられなかったみたいです』
「……用事、か」
そこで何か合点がいったらしく、男は一人頷きながら僕を舐め回すような目付きで見てきた
「何も知らされてないんだね、君にはまだ早かったか」
『……何の話です？』
意味ありげに笑い話す男に鋭い視線を向ける
だがそれを肩を竦めて男は受け流した
「まぁいいじゃないか。今夜は私と食事を楽しもう」
『ルーカスさんっ…！』
のらりくらりと躱す男を問い詰めようとするが、それは部屋に入ってきたマグルの店員によって阻まれた
料理をそれぞれの前に音もなく配膳する店員が出ていくのを黙って待つ
僕達以外マグルだ
些細な話すら聞かせられない
店員が一礼して出ていくのを視線で見送り、運ばれてきた料理に手をつけている男に話を続けた
『知っている事を教えてください、ルーカスさん』
「知ってどうするんだい？ ワールドカップのキャンプ場が燃え尽きようと、私達には関係の無い事じゃないか」
『キャンプ場…！？』
なんだ、何が起こっているんだ
数時間前までは至って普通だったじゃないか
混沌としていたが、賑やかで楽しげな声が響いていたキャンプ場で、一体何が……
『今日の所は失礼します。この埋め合わせはまた＿＿＿＿ 』
「許さないよ」
席を立ち、手土産を押し付けるように伸ばした腕を男に掴まれる
藻掻いても男の腕はビクともしない
「マナーのなっていない子だ」
余裕綽々な様子で男が語る
だがその慢心が仇となるのを男は気付いていない
『レウケー』
杖の名を呼ぶ
すると男に触れていた箇所から白い杖が顔を出した
「なっ」
男が仰け反って息を漏らす
次の瞬間には既に小さく痙攣しながら意識を失っていた
僕以外が杖に触れてしまったら最後、電撃を浴びせられて失神する。最悪死ぬ事もある
部屋の近くに人がいないか気配を探る
そして気絶した男を置いて僕は姿晦ましをした
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
