第192夜 ページ6
「勉強熱心だ、関心するよ」
『えへへ、ありがとうございますルーカスさん
あなたに言われると不思議と嬉しくなっちゃいますね』
砕けた言い方で、照れたように笑う
今日のこの場では初めて見せる素に近い僕の姿だ
まやかしだが
「初々しいね
……そんな君に良い提案があるんだけど、どうする？」
かかった
僕は内心ほくそ笑みながら、調子ずいた男にグイッと一歩近付いて下から見上げた
『わぁ、ぜひ聞かせてください！』
人懐っこい笑顔で目を輝かせて言うと、気を良くした男は僕の頭に手を置いて軽く撫でた
「そうだな、まずは個人的に二人で食事でもどうだい？ その方がゆっくり話も出来るし」
『えぇ、もちろんです！』
満面の笑みを浮かべて答える
『父には僕から伝えておきます
…あ、それと……僕少し食が細いので、その辺ご迷惑をおかけするかも…』
「そうなのかい？ 分かった、店を選ぶ時は注意しよう」
すっかり気を許した男は僕の頭から手を退けて続けた
「最短だとワールドカップ決勝戦の夜になるんだけど、何か予定はあるかな？」
『いいえ、その日で大丈夫です
ふふ、もう楽しみになってきました』
そう笑ったところで本日お茶をする部屋に辿り着き、会話は一旦の終わりをみせた
「Aは今日は何の気分かな？アッサムティー？」
『ふふ、ではそれを』
「お茶菓子も持ってこさせよう」
今度は僕のことなら何でもお見通しといったやけに馴れ馴れしい男(この人は去年の夏休みにも魔法省で会った事がある)を隣に席に着き、まだまだ長くなる茶会に内心ため息をつくのであった
「今日の茶会はどうだった？」
『父様……』
2週間滞在するホテルに帰ってきて早々尋ねてきた父様に疲れたため息を吐きながら言う
『お行儀よくするのは疲れるな……まぁお茶とお菓子は美味しかったかな』
「確かに普段のお前とは似ても似つかなかったな
だが社交の場とはそういうものだ、皆多少なりとも仮面をつける」
ネクタイを緩めながら話す父様の声を黙って耳に通す
「まぁ今回は内輪だけの集まりだから社交界初心者には丁度いいだろう
で、ルーカスと親しげだったが何かあったのか」
『なんだ、気付いてたの』
なら話は速いや、と僕も着ていた服をノエルに投げながら続けた
『決勝戦の夜に食事に誘われたから行くことにした』
「お前が？珍しいな」
そう言って父は訝しげに眉を上げた
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
