第149夜 ページ7
滅多に書かない手紙をサラサラと書き上げ、シーリングワックスで封をしたところでｺﾝｺﾝと控えめなノックが部屋に響いた
『どうぞー』
「し、失礼します…お茶をお持ちしました」
部屋を覗く小さな影
その手にあるのはいつもと違うティーセット
『遅かったね』
「も、申し訳ございませんっ…」
『ティーカップ、割っちゃった？』
お盆をテーブルに置く下僕を見ながら聞くと、ビクッと震えて彼は小さく首肯した
『そんなに怯えないで
怪我はなかったかい』
「は、はいっ、私めは大丈夫です！」
『そう、よかった』
ホッと息をついた下僕さんに小さく笑う
怪我がないなら何よりだ
「あ、あの…ご令息」
『ん？』
恐る恐る此方を伺っている屋敷しもべ妖精に視線を移すと、細長い皺のある指がテーブルの上を指していた
「よろしければ…、あの、代わりに出しておきましょうか…？」
『……あぁ、アレは』
下僕が指したものは今しがた完成した手紙
ここからは見えづらいというのに、流石に目敏い
「ご令息…？」
『アレは……、
……いいんだよ、出さなくて』
怪訝そうな下僕に首を振り、申し出を断る
「そ、そうですか……差し出がましい事をしました…」
『いいや、ありがとうね』
しゅんとした下僕はそのままトテトテと部屋を後にする
『ご苦労さま』と投げかけると扉は完全に閉まった
部屋の前に完全に気配が消えたのを確認すると、僕はカップをテーブルに置いて机の上の手紙に視線を寄越した
『いいんだよ…アレは
……らしくないし』
指を軽く一振りすると手紙は引き出しの中へと消えていった
書いたはいいものの、やっぱり恥ずかしさもあって出せなかった手紙
いつか
いつか素直になってもいいと思えたなら
その時には必ず
あの手紙はあるべき人の所へ届けよう
少し冷めたお茶に口付けて僕は静かに目を閉じた
＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
皆さんお久しぶりです
更新遅くなってすみません…
あつ森楽しすぎて、、、笑
島は発展しないが自分の家だけは大きくなっていく笑
とたけけはまだ来ないが家のローンだけは全額支払った笑
おかげでハッピースローライフから中々抜け出せませんでした
借金地獄が終わったので更新ペースも多くなると思います！
これからも応援よろしくお願いします！
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
