白亜城の麗人 ページ49
フランス ロワール県 トゥール
そこは中世の建物と自然が共存する街
行き交う人々は皆どこか趣のある上品な言葉を操り
首都パリとはまた違う活気に包まれながらも
どこまでも穏やかで、美しき古都
今は城主無き歴史的建造物が多く並ぶ中に
未だ輝きを失うことなく、その白亜の城は存在していた
(？？？ side)
「お嬢様ー！ご主人様がお呼びです！」
午後の日差しが射し込む自室に突如乱入してきたのは屋敷しもべ妖精のガスパル
彼は部屋の主の返事を待たずして扉を開けたと思うと騒々しくティーセットをテーブルに置いた
「書斎ね？」
「左様ですー！」
私に背を向けながらお茶の準備をし始めた妖精
無礼な態度を睨み、私は小さなしもべに対して言い放った
「貴方、ガスパル
まるで成長がないじゃない。作法が完全に身に付くまでは表に出てこないでと言ったでしょ」
「え！？ ですが同僚のブリュノは美味しいと言ってくれました！」
「お茶の味はね。問題はその他よ」
呆れたため息をつく
まだまだこの由緒ある家系に仕えるには相応しくない
「礼儀を弁えなさい、屋敷しもべ」
そう告げて私は自室を後にした
.
.
.
「今年、波乱が起ころうとしている」
そう言って私を呼び出した父は書類の束を寄越した
「あら、機密情報を娘と言えど見せてしまうのはどうかしら？」
「お前を信頼しているんだ」
そう言うと思った
それだけの信頼を築いてきたという自負が私にはあった
「
確かにこれは波乱の予感がするわね」
「それに伴い、ボーバトン生はトーナメントの間ホグワーツに滞在することになる」
手元の資料から顔を上げて、書斎の机を挟んで対面する己の父をじっと見つめる
「じゃあ準備が必要ね
ホグワーツにはあの人がいるし、旅先でもお手入れはちゃんとしたいもの」
「そう、だな……」
途端、歯切れが悪くなる
心ここに在らずといった父は、顔の前で組んだ手を解いて椅子から立ち上がった
「リゼ、お前はまだ＿＿＿＿」
「好きよ」
父の言葉を遮り、私は言う
「お父様が彼に縁談を持ち掛けてくれて、私感謝してるのよ」
複雑そうな父に構わず続けた
「大丈夫よ、お父様
私、彼に愛されてる自信があるもの
だから我が一族はこれからも安泰よ」
小さく微笑みを浮かべて私は父を置いて出て行った
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
