茫洋たる鳥籠 ページ48
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「A、お茶をしよう」
「この本、非常に興味深かった。お前も気に入ると思うんだが…」
「それは去年の流行だろう、新しいのを買いに行くぞ」
「土産を買ってきた」
「今日は何するんだ、A」
「A、聞いてるのか」
「A」
両親と駅で再会を果たして数日が経った
基本出掛けるよりも家で悠悠閑閑と過ごすのが好きな僕は、一日の大半をこの広大なヘルエレガル城で費やした
人生を共にした城、勝手知ったる僕の家
勉強のノルマはあるが、快適で自由気ままに過ごせる久しぶりの感覚に、最初は感動すら覚えた
そう、最初の頃は
「A、そろそろ起きないか」
『……起きてるよ』
被っていたシーツから頭だけ出して、ベッドの淵に腰をかけた己の父を下から見上げてそう言った
今日は珍しくラフな格好だ
『仕事は？』
「今日はオフだ」
だ、そうだ
参ったな……
内心げんなりしながら悟られぬよう顔をシーツに引っ込めると、父様は部屋のカーテンを杖の一振で全開にした
シーツ越しにも感じる朝日が眩しい
そうこうしていると僕の防壁も剥ぎ取られてしまった
「ほら」
『うん……』
差し出された手を掴み、体を起こす
若干嬉しそうな顔をした父様はそのまま「先に下で待っている」と告げて部屋を出て行った
『はぁ…』
思わず零れる特大のため息
再会してからというもの、僕は今まで以上に執拗に絡んでくる父様に頭を悩ませていた
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『＿＿＿＿……だからさ、母様からも何か言ってよ』
「えぇ、どうしてよ」
仕事の連絡が入ったと言って父がリビングから出て行ったのを確認すると、疲れたように母様にそう耳打ちする
だが母は軽く目を開いてそう言うだけで、どうにも助けてくれそうにない
「アトラスはあなたに構いたくて仕方ないのよ
暫く家を空けた償いだと思って諦めなさいな」
『かぁさま〜…』
寧ろ父様の肩を持つばかりで、今は楽しげにクスクス笑っている
「昔は『ダディ、ダディ〜』って言ってパパの後ろを付いて回ってたのに
彼のモテ期も終わりかしら？」
『……いつの話してるんだよ』
「『ダディのお膝はAのなの』って言ってた甘えん坊も、今じゃすっかり反抗期ねぇ」
『知・ら・ん！！』
母様が声を上げて笑う
それをちょうど戻ってきた父様が見て不思議そうに首を傾げていた
もう勘弁してくれ…
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
