第186夜 ページ44
『二人とも、こっち！』
己にかけた隠蔽魔法を解き、医務室近くの廊下をを忍び歩きで通り過ぎようとしていたハリーとハーマイオニーに声を掛ける
「A！急に現れないでよ…！」
『ごめんごめん』
驚いて肩を跳ねさせた二人にクスクスと笑いを零す
『その様子だと、上手くいったみたいだね』
「うん！ 協力してくれてありがとう、A」
嬉しそうに、安心した様子で語るハリーの顔は、しかしやはり寂しさの色も濃かった
『いいや、僕はほとんど何もしてないよ
…さ、医務室に入ろう。丁度いい頃合だ』
僕達は注意深く辺りを見渡すと、人影がないことを確認して医務室の扉を三人で開けた
「さて？」
扉を開けると、ちょうど振り返ったダンブルドア先生と目が合う
先生は片眉を上げて僕たち一人一人に視線を投げ掛けた
「やりました！」
「シリウスは行ってしまいました！バックビークに乗って…！」
息せき切って二人が話す
それを聞き届けた先生はニッコリと微笑んで「ようやった」と二人を激励した
「みんなベッドにお入り、間もなく一波乱あるじゃろうしな」
それだけ言って先生は僕達の背を押してそれぞれをベッドの中へと押し込んだ
僕がシーツを頭から被り、一息ついたその時
「白状しろ！ポッター！！」
バンッ！と音を立てて医務室の扉が猛烈な勢いで開いた
それと一緒に逆上したスネイプ先生と、困った顔の大臣が足音荒く医務室に入ってくる
もぬけの殻の牢獄に気付いたのだろう
スネイプ先生はハリーが犯人だと言って聞かなかった
「落ち着くのじゃセブルス
ハリーはずーっとここにおった、わしが保証しよう」
「そうだぞスネイプ、無茶なことを言うんじゃない」
しらを切る校長に、疑うことを知らない大臣が同意する
妄言でもなんでもなくスネイプ先生の勘は的中しているのだが、どこまでも飄々とした狸だ
「ですがっ…」
尚言い募り、声を荒らげようとするスネイプ先生
医務室が緊張に包まれた
『ウッ…！！』
「！」
僕はガバッとシーツから顔を出し呻く
頭を抑え、両目からは涙がホロホロと静かに流れ落ちた
嘘泣きだが
『あ、頭が痛いです…！ 目が焼けるように熱くて、涙も止まりませんッ……！』
ぐすんと鼻を啜り、瞳を潤ませて先生や大臣に訴えかける
『僕達、今夜はとても恐ろしい体験をしました
何か企む力も残っていません…！信じてください！』
迫真の涙がキラッと輝いた
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
