第183夜 ページ41
『それは……離れた方がいいんじゃ…』
「大丈夫、シリウスに群がった吸魂鬼を、父さんが一掃するから！」
ハリーの言葉に、僕もハーマイオニーも目を点にして口をあんぐりと開けた
だがハリーは気にも止めず何かを探すように辺りを見回した
「シリウス！ …ハリーも来たわ！」
『ついでに吸魂鬼もね』
対岸の方で血だらけのブラックが地面に倒れ伏すと、後から現れたハリーが覆い被さって何度も男の名を呼び意識を覚まそうとした
すると嫌な冷気を頭上から感じ、顔を上げる
そこには夥しい程の吸魂鬼が、群れをなして旋回しながら2人に襲いかからんとしていた
「父さん、どこなの？ はやく……！」
ハリーが焦りを滲ませてキョロキョロと辺りを見渡す
「ハリー、私達以外にここには誰も……」
ハーマイオニーが戸惑いを浮かべながらハリーに告げる
「でも、確かにここで……
＿＿＿＿……！ 」
突然ハッとした表情で自分の掌を見つめるハリー
その横顔は、驚きと落胆が混ざった、複雑な色を乗せていた
だがそれも一瞬のこと
ハリーはぐっと拳を握り締めると、杖先を吸魂鬼の群れに向けて呪文を放った
「エクスペクト パトローナム！！」
ハリーが叫ぶ
杖先からは、ぼんやりとした霞ではなく、目もくらむ程眩しい、銀色の動物が噴き出した
『守護霊…！？ 』
この歳で、上級魔法を完璧に会得している…！
それに、ただでさえ難しい呪文なのに、もう動物の守護霊を呼び出せるとは！
ハリーの守護霊、銀色の牡鹿が吸魂鬼に向かって突進していく
暗い影は後ずさりし、段々散り散りになって暗闇の中に退却していった
「プロングズ……」
ハリーが震える指で牡鹿に触れようと手伸ばす
けれど触れる直前で眩い守護霊はフッと消えてしまった
「……誰かに見られた？」
「あぁ。僕が僕を見たんだ
でも、僕はそれを父さんだと勘違いした」
ハーマイオニーは呆気に取られていて、辛うじてそれだけを尋ねた
『
……ハリー、君は凄いよ』
僕も思わず感嘆がこぼれる
ハリーが恥ずかしそうに口をモゴモゴさせた
『……君は僕が色んな物を持ってるって思ってるみたいだけど
違うよ
僕は君のような"強さ"は持ち合わせてない』
ハリーがパッと顔を上げる
しかしあまり理解してないようで、怪訝そうに首を傾げていた
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
