第182夜 ページ40
『どう、か…』
父様や母様の顔を思い浮かべる
言ってしまえば世間の敵である二人
人を踏みつけ、悪行すら平気で行う神経
どうして。やめて欲しい
両親の行いを幼心に怒った事もある
だけど抱きしめられる度に
キスを贈られる度に
…愛されていると自覚する度に
別にこのままでもいいんじゃないかって
『……もうどうでもいいやって、思ったよ』
過度な躾も、英才教育も
温かい手に頭を撫でられると、不思議と全てがどうでもよくなった
……でも
『どうでもいい、自分には関係ない
そんな思考放棄が誰かの不幸に繋がってしまうのは
……それは、間違った事なんだろうね』
ホグワーツに来てから自分の立場を振り返る事が増えた
このまま親の言う通りに生きるのか
それとも、別の、自分の道を築くのか
『葛藤に揺れ、自分でもどうしたらいいのか分からないのが現状だよ
家に逆らうとしても、相手はあの父様
……僕にとっては絶対的な"親"だからね』
そこまで言うと、ハリーもハーマイオニーも重く口を閉ざしてしまった
『家族を切り捨てられないし、かと言って君たちの敵にもなりたくない
……曖昧な立場でごめんね』
「……いい、話してくれてありがとう」
首を振ってハリーが言う
僕は一度瞼を閉じて、軽く息を吐いて続けた
『そろそろ皆が暴れ柳から出てくる時間だ。雑談は控えよう』
「えぇ」
ハーマイオニーが頷く
僕達は静かに暴れ柳へと視線を移したのであった
「出てきたわ！」
彼女の囁きに僕達はお互い頷きあう
暴れ柳の根元の穴から窮屈そうに大人達が這い上って来るのが見える
ハリーが緊張したように唾を飲む音が聞こえた
ちらっと空を見上げた
間もなく雲が流れ、月が顕になる
「！ ルーピン先生が狼人間に変身した！」
「早く移動しましょう！ 先生が森に駆け込んで来るわ！」
ハーマイオニーが息を飲んで手網をぎゅっと握り締めた
『行くよ！綱を解いて！』
僕の声に握っていた綱を大急ぎで解きながら同時に僕達も駆け出す
バックビークも興奮したように鼻息荒く森に足を踏み入れた
「ここで止まって！」
ハリーの静止に僕達は動かしていた足を止めた
息を弾ませながら周りを観察する
そこは森の中にぽっかりとできた空間で、小さな池があるくらいで他は何も特筆するものがない
「もうすぐシリウスが来る……吸魂鬼も」
隣で期待したようにハリーが瞳を輝かせた
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
