第180夜 ページ38
「そうかバックビーク！ ハーマイオニー、僕達バックビークを救うんだ！」
「あっ…！ シリウスが閉じ込められてるのは西塔！ バックビークに乗ってシリウスを救い出し、そのまま2人まとめて逃がすってことね！」
直ぐに合点がいった二人に僕が軽く首肯すると、ハーマイオニーが笑みを浮かべて続けた
「A、あなたが私達を探していたのは…逆転時計に用があるって言ってたのはこのためだったのね」
『うん、君が逆転時計を持ってるって知った時はラッキーだと思ったよ
…さぁ、森番の小屋まで近付こう。大臣達の注意は"3時間前の僕"が引き付けているから、救出は楽なはずだ』
後ろから二人を促し、急ぎ足で小屋まで移動する
そして小屋近くの茂みに三人身を縮こませて事の成り行きが進むのを待った
途中、スキャバーズを見つけた3時間前のハーマイオニーが悲鳴をあげると、隣のハリーが体を前のめりにさせ、茂みから出ようと動いた
『ハリー、だめ』
「……でも」
『だめだよ』
ハリーの手を掴み、首を横に振って言い聞かせる
暫しじっと見詰められるが、僕が手を離す気がないと分かると彼は諦めたように「……わかった」と俯いた
しばらくして大臣たちが森番の小屋へと入って行くのが見えた
当たり前だが僕達の存在に気付いた様子はない
「大丈夫かな…いきなり振り返られたら窓から僕達の様子が丸分かりだよ…」
隣でハリーが心配そうに呟いた
視線は開け放たれた窓近くの大臣たちに向けられている
『もう少し待って、ハリー
大臣たちが窓に背を向けて座るから、その後にバックビークを連れ出そう』
「うん」
ハリーがホッとしたように息を吐き、肩の力を抜いた
＿＿＿＿椅子借りるね
遠くの方で3時間前の僕がそう言うのが聞こえた
同時に椅子を引く音が届く
『よし、今だ』
僕が言うと、ハリーも意を決したようにひとつ頷いて茂みからそーっと抜け出した
一度背に乗せた事のあるハリーなら、バックビークも心を開きやすいだろう
僕の予想通り、ハリーがお辞儀をすると直ぐにバックビークも頭を下げ、懐いたようにハリーの指示に従った
「ハリー、早く！」
ハーマイオニーが囁き声で急かす
小屋の方では大臣たちが書類にサインを書いているところだった
ハーマイオニーが茂みから飛び出し、自分も手網を握り全体重をかけてバックビークを急かす
『…こっちにおいで』
僕も背を低くしながらバックビークに囁いた
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
