第176夜 ページ34
地上に出た
明かりのない叫びの屋敷とは違い、地上は日が暮れたといっても雲の隙間から月の光が漏れていて明るく感じられた
良い月夜だ
だけど、ハーマイオニーに与えられたタイムターナーでは数時間程度しか過去に戻れない
ロンを医務室に預け次第、余裕を持って逆行したいところである
「……待て」
不意にブラックが片手を上げて皆を制止した
その視線は一番前を歩いていたルーピン先生に注がれていた
なんだ？
確かに今日は満月だけど、先生はちゃんと脱狼薬を服用してるから変身したところで無害な筈だけど
その時
「……どうしましょう」
隣で、小さくハーマイオニーが呟いた
僕は首を傾げて彼女の言葉を待った
「ルーピン先生が今日の分の薬を飲んでないって、スネイプが言ってたわ……！」
『はっ……？！』
衝撃の内容に冷や汗が頬を伝う
慌ててルーピン先生の方に視線を向ける
先生は月を見て立ち竦んでいた
表情はこちらからじゃ分からない
けれど手足がブルブルと異様な程に震えているのが見えた
「逃げろ！！」
シリウス･ブラックが叫ぶのと、唸り声を上げてルーピン先生の頭と体が伸びたのは同時だった
先生の近くにいたハリーは完全に固まっている
このままでは人狼の鉤爪で怪我をしてしまう
仕方ない、それなら
『
杖を簡易顕現させ、先生に向かって呪文を放った
そのまま当たればいくら人狼といえど石になって動けなくなる
＿＿＿＿……筈だった
「リーマスに手を出すな！Jr．！！」
『はぁッ！？』
あとちょっとの所で何故かブラックに呪文を弾かれ、妨害された
流石にキレて男に怒号を飛ばす
『何のつもりだ！！』
「Jr.はすっこんでろ！！」
『言ってる場合か！！！』
そうこう怒鳴りあっている間に先生は完全に理性を無くした人狼へと成り果て、ハリーへと飛びかかった
それを犬に変身したブラックが狼人間の首に食らいつく事で阻む
ピーターはどさくさに紛れて既に夜闇に消えていた
『あーもう馬鹿！馬鹿馬鹿馬鹿！！
馬鹿じゃないの……！？』
底に着いた語彙力であらん限りの罵倒を並べる
ブラックのくだらない意地に邪魔されなかったら、全て穏便に終わってたのに！
一声高く吠えて狼人間が森へと疾駆していく
それを血を流した黒犬がふらつきながら追いかけて行った
後には途方に暮れた子供達だけが残った
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
