第172夜 ページ30
「シ、シリウス…リーマス……」
「しばらくぶりだったね」
「友よ……、懐かしの友よ」
小太りの鼠男が身も声も震わせながら発せられた呟きに、咄嗟にブラックが杖腕を上げる
しかしそれをルーピン先生が押さえ、窘めるような目付きでブラックを見た
「ピーター、二つ三つすっきりさせておきたい事がある。君がもし＿＿＿＿」
「こいつはまた私を殺しにきた！」
ルーピン先生の落ち着いた声を遮るように小太り男＿＿＿ピーターというらしい＿＿＿が叫ぶ
「こいつはジェームズとリリーを殺した。今度は私も殺そうとしてるんだ……！リーマス、助けておくれ…！」
暗い底知れない目でピーターを睨み付けるブラックの顔は今世紀最大に恐ろしい形相だ
あまり見るとまた絡まれる
僕は早々に目を逸らし、目の前で繰り広げられる尋問をひっそりと静観するのであった
･
･
･
はやく終わらないかなぁ、これ。
先程からそんな事を考えている
「一緒にこいつを殺るか？」
「あぁ、そうしよう」
「やめてくれ…！やめて…」
尋問という名のネズミ男粛清イベントもそろそろ佳境に入るようで、先生とブラック二人から杖先を向けられたピーターは今にも倒れそうな程青白い
「ロン！私はいい友達、いいペットだったろう？ 私を殺させないでくれ、ロン。お願いだ…！」
「自分のベッドにお前を寝かせてたなんて！」
友人を裏切り、そして罪を擦り付けた男の末路としてはそれが相応しい
同情の余地はない
「優しい、賢いお嬢さん……あなたならそんな事させないでしょう！ 助けて…」
「……近寄らないで」
それに、部外者の僕が口を出したら余計睨まれる
ここは黙って男の最期を見届けよう
「ハリー…」
「ハリーに話しかけるとは、どういう神経だ？」
ハリーに伸ばされた手は行き場をなくし、ユラユラと彷徨う
ピーターを遂に断罪すべく、ルーピン先生とブラックが同時に足を踏み出した
ガタガタと震える小太りのピーター
「あ、……あぁあ……
……！」
挙動不審な目
それがハッと思い出したように僕を視界に捉えた
「ぼ、坊ちゃん……！」
『………は？』
バタバタと足をもつれさせながらピーターが僕に駆け寄り、小汚い手でまとわりついてきた
『ちょっと…なに』
「も、元はと言えば君のお父様がいけないんだ……！」
『はぁ？』
形振り構わず喚く男に僕は眉間に皺を寄せた
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
