第171夜 ページ29
『流石だね、ハーマイオニー
少ない情報量からそこまで推測出来るなんて』
関心したように手放しに褒めると、僕は足元の溝鼠を靴底で床に擦り付けながら話を続けた
『まぁ別に隠すことでもないし、普通に言うけど
僕は通常の視力では見えないものも見抜く事が出来るし、遥か遠い所の出来事でも細部まで視る事が出来る』
信じられない、と驚愕に固まる面々
それに構わず続ける
『 "透視の魔眼" あるいは "千里眼" と言われている
……僕の場合、まだまだ未熟で波があるんだけどね』
あの日
現に今、溝鼠の正体を見抜く事が出来ない
疲労が溜まっているのだ
あと弁明しておくと、女子トイレの件は1人で女の子が泣いていたのが心配だったから視ただけだ
覗き目的ではない、断じて
「そんなことって…」
理解が追い付かず呆然とする面々に、僕は『それと』と不服を付け加えた
『勘違いしないで欲しいんだけど、この能力は闇の魔術ではないからね
寧ろ、成長する過程で衰えていくだけで、初めは皆持っていた力だ
僕も長年の鍛錬で漸く取り戻したようなものだよ』
だからこれは闇の魔術ではない
と僕は再三言い聞かせた
「じゃ、じゃあ、頑張れば僕も千里眼が身に付くってこと…！？」
『簡単ではないだろうけどね、不可能ではないよ』
ロンの顔に血の気が戻り、興奮したように「わぁ…」と零した
『あー、えーと。この話はそろそろ終わりにして……
まずはこの状況をどうにかしないと』
困ったように咳払いする
するとハッと今の状況をいち早く思い出したブラックが、未だ威嚇と憎悪を隠すことなく僕に命令した
「ネズミを寄越せ、ヘルエレガルJr.」
『…………ハイハイ』
ムッとしたがこれ以上ブラックを刺激するのは不味いと思い直し、素直にネズミの尻尾を掴み空中に放り投げた
為す術もなくネズミは宙を舞う
その小さいけれど無防備な的に向かってルーピン先生とブラックが同時に青白い光を放った
＿＿＿＿ドンッッ！
光を当てられたネズミは一瞬静止したかと思うと、そのまま真の姿を取り戻して床に叩きつけられた
「あ……あ…」
飼い主だったロンはまた顔を白くさせている
「やぁピーター」
冷たい声がルーピン先生から発せられる
小太りの男はその薄汚れた身を震わせた
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
