第165夜 ページ23
急ぎ足で控訴が行われるという部屋に向かう
幸運な事に占い学のテストが一番手だったため、控訴の開始に余裕で間に合う
ハリー達は無理だろうけど
懐から控訴用に纏めた書類を取り出しながら、廊下を横切る
『(よし、これなら死刑を回避する方向に持って……)』
いける
そう頭の中で続けようとした
その時
＿＿＿＿ガチャ
前方で扉の開く音がした
それは、控訴が行われる部屋の扉でもあった
「これはこれは…
久しぶりだね、A君
元気にしていたかな」
『……ルシウスさん』
長い髪を靡かせながら、長身の男が部屋から出てきた
嫌な予感がする
「どうしてここに？まだテスト中だと思ったんだがね」
『…控訴に出ようと思って』
「あぁ、それは残念だったね」
軽薄な返事に、僕は眉を寄せる
ルシウスさんは芝居がかった身振りで、けれど瞳に映る嘲りの色はそのままに続けた
「控訴が予定より早く始まってね。先程終わった所だよ」
『どうして』
「どうしても何も、結果は変わらんのだから早いに越したことはないだろう？」
軽い調子で言われて、握り締めた書類にクシャと皺が寄る
「処刑は日没だ
それまで大臣の接待でもどうかな
＿＿＿ヘルエレガルの跡継ぎさん」
グシャｯ
渇いた音を立て、今度こそ紙は握り潰された
肩に置かれた手を払い、下から睨み付ける
「おぉ恐い」
全然そう思っていない顔で言い放つ
「いつまでも遊び呆けていては家の名が泣くだろう
そろそろ本格的に社会勉強でもしたら如何かな」
『…………えぇ、そうですね』
俯いて返事をする
ルシウスさんが一瞬窺う視線を向けてきたが、フッと笑ったかと思うと有無を言わせぬ態度で部屋の中へと促した
「おぉA！よく来たね」
呑気な大臣の声が部屋に響く
『さっきぶりだね、大臣
お茶を淹れさせるよ』
喜色を浮かべた大臣から視線を移し、未だ床に書類を散らばせたまま突っ立っている森番に向けて口を開いた
『僕としても残念だけど、判決は覆せないよ
いつまでもそこに突っ立っているより、少しでも長くヒッポグリフが穏やかに過ごせるよう、貴方は貴方のすべきことをしてください』
そう言っても尚呆然として動かない森番に、僕は書類を整理し無理矢理背を押して部屋を退出させた
『(…さて、どうするか)』
大臣の相手をしながら思考を巡らす
やはり正攻法は失敗に終わった
なら、残された手は……
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
