第145夜 ページ3
「じゃあな、元気で」
『うん、ドラコも体に気をつけて』
「…メリークリスマス、A」
『メリークリスマス、ドラコ』
玄関までドラコと歩き、僕は姿が見えなくなるまで手を振った
何度も振り返って小さく手を振るドラコに笑いながらその後ろ姿を見送る
＿＿＿＿そんなに大切にされてるとは思わなかった
僕の胸元で輝くブラックダイヤを見てドラコが言ったことだ
『そんなに意外だったかな…』
貰い物を無下にする程、僕は薄情でもないんだけどな
．
．
『せんせー、来たよ』
「呼んでおらん」
湿った空気の地下牢に上機嫌で訪れると、冬だというのに火の一つもない寒い部屋でスネイプ先生が薬を調合していた
『課外授業、しよ
ね？先生』
「我輩は忙しい」
誘いをすげなく断られ僕は文句を垂れるが、実際忙しそうなので諦めて部屋の隅に置かれた鉢植えを観察することにした
『んー…まぁ順調か…』
だがそれにも直ぐに飽き、先生の周りをうろちょろ歩いてみる
「気が散る、出て行け」
『いてっ』
しかし短気を起こした先生に部屋から締め出され、僕は早々に地下牢を後にする羽目になった
『先生のケチ…浮気してやる』
スネイプ先生が聞いていたら100%汚物を見るような目を向けられたであろう内容を呟いて、僕は適当に散歩でもするかと足を庭に向けた
柔らかな雪に覆われた大地を踏みしめ、広大な銀世界を鼻歌交じりに賞翫する
冷たい風は肌寒い
希薄で澄んだ冬の光が降り注ぐ中庭には僕以外には誰もおらず、静けさに包まれている
『は〜、落ち着く』
幾つかあるうちの一番大きな木に寄りかかって思わず呟く
ここ、ホグワーツに入学してからというもの、毎年何かしら面倒事に巻き込まれているような気がするが、今年が一番酷い
まず家出…は後悔してないからいいや
だけど魔法省が捜索隊を結成するのはやりすぎだし、ましてや記事にするのは論外だ
それからヒッポグリフやボガートのこと
父様襲来に、糞吸魂鬼
思い出すだけでも疲弊する
僕はため息をついて、休憩もそこそこに庭から立ち去ろうとする
手先冷えてきたし
城に戻ろう、と
踵を返した
その時
ドンッ
『わっ』
突如背後から衝撃に襲われる
背後…というか、足元？
そう考えが至った時には既に僕の下を何かが駆けて行った
慌てて視線で追う
『あれは…』
黒い、犬…？
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
