第160夜 ページ18
試験が始まり、週明けの城は異様な静けさに包まれた
昼食時、三年生は午前中に行われた変身術の試験の出来を血の気の失せた顔で話し合っている
その他にも、人と話す時間すら惜しいのか、教科書を一心不乱に読んでいる生徒もいれば、テーブルに並んだミートパイを貪り食う生徒もいた
余裕の表れなのか、それとも最後の悪足掻きを諦めたのかは判別がつかない
僕も次の試験に向けて教科書を見直したり、もうすぐ行われる控訴の準備を同時進行でやっているが、この時期に大広間に来ると諦めの悪い生徒に囲まれてそれどころではなかった
『その単元は図書室にある入口から5列目の棚、上から2段目の本を見直すといいよ』
『発音が違うよ、あとイントネーションもね』
『手首の振りが甘い』
『分からないところが分からない？ また？？』
『生ける屍の水薬？それほんとに試験でやるの？
……まぁいいや、催眠豆は切るより小刀の平たい面で砕くんだ。その方が汁が出る』
もうすぐ次の試験が始まるというのに、皆本当に諦めが悪い
日本の聖徳太子のように、僕は何人もの声を聞き分けながら一つ一つ答えていく
こんなことなら気分転換に大広間なんか来るんじゃなかった
僕だって授業に出ない分、試験で結果を残さないといけないから教科書くらい見直したいんだけど
まぁ1位の座を譲る気は無いが
そんな生活が暫く続き、6日の今日、ついに試験期間が終わる
今日を乗り越えたら自由だ、と活気づく周囲に呆れながら「闇の魔術に対する防衛術」のテストに向かう
ルーピン先生はこれまで誰も受けたことがないような、独特の試験を出題した
戸外での障害物競走のようなものだった
水魔のグリンデローが入った深いプールを渡り、赤帽鬼のレッドキャップがいっぱい潜んでいる場所を横切り、道に迷わせようとする妖怪･ピンキーパンを躱すと、最後にはまね妖怪ボガートが待ち受けているというコースだ
グリフィンドールとスリザリンの生徒が終わった後に僕の番が来る
ハリーやロン、ハーマイオニー
そしてドラコの試験の様子を見ていたが、ハリーが一番の成績を修めたようだ
「それじゃあA、準備はいいね？」
『うん、いいよ』
あの授業の事があったからか、先生が少し心配そうだったが、僕の返事を聞いて安心したように深く頷いた
「それでは
……3、2、1＿＿＿＿GO！」
先生の合図と共に僕はスタートダッシュを切った
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
