第158夜 ページ16
「ハーマイオニー、言ってもいいかい？」
「な、何？」
ハーマイオニーが枕替わりに使っていた数占いの教科書を見下ろしながらハリーが続ける
「君はパンク状態なんだ
あんまり色々なことをやろうとして」
「そんなことないわ！」
絶望した様子で目の上にかかった髪の毛をかきあげるハーマイオニー
その様子を見ながら、僕は『(授業を1度サボったくらいでそんなに落ち込むかねぇ)』と関心していた
「授業の内容はなんだったの！？」
「げ、"元気の出る呪文"だよ
…うん、君に最も必要な呪文だったみたい」
「あぁ絶対テストに出るわ！どうしよう……！」
最早泣き出しそうな彼女に二人は慌てて慰めの言葉を掛けるが、一向に彼女の顔は上がらない
そんな様子を見兼ねて、僕は『はぁ』とため息をついてハーマイオニーの名を呼んだ
「な、何…？」
『僕でよければ教えようか、その呪文』
そう言うとバッと勢いよく振り返った彼女にたじろぎながらも、僕は苦笑いしながら続けた
『ハーマイオニーが寝ちゃったのは僕のせいでもあるしねぇ
人に教えるのは不得意だけど、頑張るよ』
「い、いいの？？」
驚愕と共に嬉しそうに瞳を煌めかせた彼女に僕も『うん』と答える
「ありがとう！ Aが教えてくれるならもう大丈夫ね！」
『そんなに信用しないでくれると有難いんだけどね…』
まあ頼られるのは悪くない
それにハーマイオニーは優秀だし、飲み込みも早いだろう
『君は人一倍忙しいようだし
短時間で習得できるよう指導するとも』
僕がニコッと意味ありげに微笑むと、それまで柔らかだった顔を若干強ばらせてハーマイオニーが口を開いた
「A、貴方どこまで知ってるの」
『うん？なんの事？』
惚ける僕に警戒したのか、彼女が胸に手を当てキュッと握り締めた
『(ふぅん……やっぱり)』
無意識だろうその仕草で、僕はある仮説が確信になるのを感じた
「さっきから何のことだい？」
置いてけぼりのハリーとロンが首を傾げる
『いや、ただ…』
目を閉じ、回想する
＿＿＿＿君だけ特別なわけではないのじゃよ
＿＿＿＿クィディッチが得意な生徒がいれば試合の規定年齢を見直すし
＿＿＿＿意欲がある生徒には、より多くの授業を受けられる機会を設けるじゃろう
『有言実行だなぁ、と』
＿＿＿＿生徒に合った環境を整えるのも、先生の仕事じゃよ
いつかの言葉を僕は頭の中で反芻した
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
