第157夜 ページ15
僕がグリフィンドール寮に住み着くようになって暫くしたある日
授業のため生徒が出払った談話室のソファーで寛いでいると、ハーマイオニーが荒々しく扉を開けて部屋に入ってきた
『またロンと喧嘩？』
「A…
いえ、ロンとはもう仲直り…したわ」
ムシャクシャと苛立っているハーマイオニーに問いかけると、彼女は一瞬照れた様子で首を振って否定した
「マルフォイよ……
あいつ、ハグリッドを馬鹿にしたの！
わたし、私自分を抑えられなくて勢いで殴っちゃったわ」
『ワォ』
興奮冷めやらぬハーマイオニーを落ち着かせ、ソファーに座るよう促すと彼女は大人しくそれに従った
「あいつ、あの悪党…！」
『まぁまぁハーマイオニー
何だか顔が
少し眠るといい。直に気持ちも落ち着くさ』
そう言うと、不満げだった彼女は間も無くしてうつらうつらと船を漕ぎだし、やがてスゥと深い眠りに入った
何か授業があったのかもしれないが、たまには息抜きは必要だろう
特に、人一倍努力家の彼女には
･
･
ザワザワと徐々に騒がしくなる周囲に気付く事無く、ハーマイオニーはまだ眠り続ける
ブランケットがずり落ちたので肩に掛け直してあげていると、ハリーとロンが二人揃って談話室に入ってきた
「ハーマイオニーいた！」
ローテーブルに突っ伏す彼女に気付き、驚いた様子でハーマイオニーを凝視する二人
ぐっすり眠り込んだ彼女の両側に腰掛け、ハリーがそっとつついてハーマイオニーを起こした
「ど…＿＿＿＿どうしたの？」
寝惚けた声を出し両隣の二人に視線を彷徨わせると、突如カッと目を見開いてキョロキョロと辺りを見回した
「もう授業に行く時間？
今度は、な…何の授業だっけ？」
「占い学だよ
ハーマイオニー、どうして呪文学に来なかったの？」
ハリーが不思議そうに首を傾げる
「えっ？
……あー！！
呪文学に行くのを忘れちゃった！」
「だけど、忘れようがないだろう？
教室のすぐ前まで僕達と一緒だったのに！」
何を言っているんだとばかりにロンが怪訝そうにするのを、僕は黙って静観する
二人とハーマイオニーの認識に齟齬があるみたいだし
「フリットウィック先生、怒ってらした？
あぁ、マルフォイのせいよ！ あいつのこと考えてたらごちゃごちゃになっちゃったんだわ！」
涙声の彼女を慰めながら「ハーマイオニー…」とハリーが口を開いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 631人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
