第155夜 ページ13
(ハリーside)
ブラック襲撃の次の日から、どこもかしこも警戒が厳しくなっていた
カドガン卿はクビになり、元いた8階の寂しい踊り場に戻され、太った婦人が帰ってきた
八つ裂きにされていた絵は見事に修復されていたが、婦人はまだ神経を尖らせていたので、護衛が強化されることを条件にやっと職場復帰を承知した
合言葉を洩らしてしまった哀れなネビルは、今後一切ホグズミードに行くことを禁じられ、また誰もネビルに合言葉を教えてはならない事になった
そのため毎晩誰かが一緒に入れてくれるまでネビルは談話室の外で待つ羽目になっている
「刃渡り30センチはあったな……それで、あいつは僕を見た。僕もあいつを見た
そして僕が叫んで、あいつは逃げていったんだ」
ロンはにわかに英雄になった
僕ではなく、ロンの方に注目が集まるのは彼にとって初めての経験だ
ロンがそれをかなり楽しんでいるのは明らかだった
あの夜の事にはまだショックを受けたままだったが、聞かれれば誰にでも嬉しそうにロンは語ってみせた
「Aは？ やっぱりAでも怖かった？？」
不意に、ロンを中心に集まっていた人垣の1人がソワソワと少し興奮気味に、暖炉前を陣取ったAに話を振った
ここ数日のグリフィンドール寮は、普段関わりが無いAとどうにかして親密になるために話し掛けたり、イベントも無いのにプレゼントを贈ったりなど躍起になっている
しかし当の本人は興味が無いのか、どれも不発に終わっているけど
『……あー、寝惚けてたからよく覚えてないや』
今も面倒臭いのか、それともロンの様子を察したのか
詳しくあの日のことを掘り返すのは避け、読んでいた本に視線を戻していた
また失敗したと肩を落とす周囲やニヤニヤしている双子の事はそっちのけで、Aは他寮だというのに床に寝そべり、頬杖をついてだらけている
1年生の時から思っていたけど、彼は見かけによらず豪胆だな
先日も、暖炉前を独占していたAに文句を言った上級生に対し、機嫌が悪かったのか『何か用』と言い放ち撃退していた
睨まれた上級生は縮み上がり、すごすごと引き下がって、それからAに対して何か言う事は無くなった
しかし一部始終を目撃していた多くのグリフィンドール生も、ビビりながらも、数日後にはまた彼に気に入られようとおべっかを使う辺り、肝が据わってるのかもしれない
流石、勇気(？)あるものが住まう寮だな
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
